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どうして彼女が ページ10

「殺さないのならば戻りましょう、三島さん。首領に報告に行かなければ……コホッ」


芥川は白衣の方を見もせずに、外套を翻す。
やや不機嫌そうな声色で、白衣の名を吐き捨てた。

三島?
白衣の名前、三島。ありふれた苗字。
だが、偶然と呼ぶには余りにもタイミングが良すぎた。


「芥川、お前、今なんて云った……?」


僕の声で芥川は「貴様には関係ないだろう」と云わんばかりに、煩わしげに振り向いた。確かにそれはただの業務連絡だろうし、本来ならば僕には何の関係もない台詞のはずだ。

けれど実際僕はそれに反応したし、何より……三島と呼ばれた白衣のマフィアはその横で固まっている。

まるで正体を隠すかのように羽織られた大きめの白衣、仮面、変声機。

唐突に、全ての奇妙さに得心がいった。


どうして彼女が其処にいる。

どうしてですか、


「……A、さん」

《あーあ。やっぱバレちゃったかぁ》


狐の仮面を外してこちらに視線を投げたのは──やはり、というべきか──僕の先輩だった。


「久しぶりだね、敦君」

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:夕野きする | 作者ホームページ:http://http://commu.nosv.org/p/asubook/  
作成日時:2019年2月23日 15時

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