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ガッ!

間に入った私は足を振り上げ、男の持つナイフを弾き飛ばす。
そしてすぐさま手を掴み捻りあげた。


「ぐぅッ!…な、何だお前!!」

『それはこっちの台詞。ずっと付け狙ってたみたいだけど…
何をするつもりだったのかな?』


チラッと弾き飛ばしたナイフを見て言う。
その間も力は弱めない。

すると観念したのか、男が地面に崩れ落ちた。
崩れ落ちた体制のまま、譫言(うわごと)のように喋り始める。


「ムシャクシャしてたんだ。だから発散しようと」


男の言葉に、私は怒りを覚えた。


『ふざけるな。お前の都合で奪っていい命などない。戯言も大概にしろ』

「ヒッ!」


怒気を含んだ声で、殺気を宿した目でそう言えば、震え上がる男。
大の男が情けない。

そんな男を見て、手を拘束したままスマホを取り出し、警察に連絡する。
十分ぐらいで着くそうだ。

(さて、と)

スマホを仕舞った私は、自分の後ろにいる人達に向かって微笑む。


『怪我はありませんか』

阿「え!…あぁ、大丈夫じゃ」

『それはよかったです。君達も怪我はない?』


阿笠博士の後ろ、未だに座り込んでいる蘭ちゃんと
目を見開いている新一君に問う。

勿論、怖がらせないように笑顔で。


新「っ…」

『(あらら。警戒されてるわね)
もう、大丈夫だからね。怖がらなくていいよ』

蘭「ほ、んと?」

『!えぇ、本当。頑張ったね』

蘭「っ、こわ、かった…よぉぉ(泣」


余程怖かったのだろう。
蘭ちゃんはボロボロと大粒の涙を流した。

……あぁ、許せない。
あの可愛い蘭ちゃんを怖がらせた挙句、泣かすなんて。
名前も明かされない程度のモブが泣かすなんて()

今にでも[自主規制]つけて二度と近づかないよう、[自主規制]してやりたい()

何て思いは胸の奥に仕舞い、その代わりに男を拘束している手に力を込める。


「イダダダダ!!痛い痛い!」

『うるさい。黙って』

「ヒィ…」


そんな遣り取りをしていると、パトカーがようやく到着した。
私は拘束したままの男を一睨みしてから警官に引き渡す。

男を見た警官は驚いていた。
そしてその理由を教えてくれる。

どうやら、杯戸港で起きた事件の共犯者だったらしい。

(なるほど。だからナイフに血を拭きとった痕があったのね)


男が乗せられたパトカーが見えなくなってから、私は再度彼らの方を向く。
泣いている蘭ちゃんの所まで行き、頭を優しく撫でた。

(取り合えず、彼らは守ったわよ。フィズ)

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宵宮月 - 桜月さん» ですよね!子供、特に小1の新一君と蘭ちゃんとか可愛すぎてもう...。忙しくて中々更新出来ませんが、頑張ります! (2018年6月3日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
桜月 - 十年前…小一…ショタ!(*´ω`*) 子供最高。頑張ってください! (2018年5月27日 20時) (レス) id: 54541a3b44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宵宮月 | 作成日時:2018年5月6日 21時

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