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――キキッ
あれから数分。ポルシェに乗せられるがまま、どこかの建物の前に着いた。
「着きやしたぜ。兄貴」
そう言って運転席に座っていた人物が隣のジンに顔を向ける。
この口調で分かると思うが、ポルシェを運転していたのはジンの右腕的な存在である、ウォッカだ。
(相変わらずこの二人はセットなのね…)
ジンとウォッカというもはや定番なセットの遣り取りを後ろの座席から見る私。
すると話し終えたのか、ジンがバックミラー越しにこちらを見てきた。
ジ「何ジロジロ見てやがる。さっさと降りろ」
『…悪かったわね。ジロジロ見てて。でも、私を放っておいてそれは無いんじゃない?』
ジ「チッ…いいから降りろ。頭ブチ抜かれてぇか」
ベレッタを私に向けながら言うジンに対して、肩を竦めながら分かったと伝える。
ジンは一睨みしながらも、ベレッタを懐にしまった。
それを見た後で、私はポルシェから降りる。
降りた先にあったのは、結構な高さのあるビル型の建物。少なくとも見上げるぐらいはある。
暫くその建物を眺めていると、後ろから足音が聞こえた。
『あら、ウォッカ。何処に行ってたのよ(急に車ごと走り去ってビックリしたんですけど)』
振り返るとそこにはウォッカがいた。
ウ「すいやせん。車を止めてきたんですぜ、シルビアさん」
『そう。ならいいけど…ところで、ジンは?(ウォッカが私のことさん付けで!)』
ウ「兄貴なら先に行きやしたぜ」
『行ったって何処に?(落ち着け。落ち着くんだ)』
私がそう返すと、何故か目を見開いて―サングラスで分かんないけど雰囲気的に―いた。
ウ「そんなの、アジトに決まってやすぜ」
『あぁ、そうね。(いや、私知らないから。そもそも、フィズが勝手に仲間にしただけだから)』
それじゃ、行きやしょうぜと言って目の前の建物に入って行くウォッカ。
一瞬何のことだか分からなかったが、この世界に来てから色々とステータス(?)が上がったのか、すぐさま理解することが出来た。
(ははっ冗談と思いたかったけど、やっぱりこのどデカい建物が黒の組織のアジトなんだね…)
ウ「どうしたんですかい。シルビアさん」
『いや、何でもないわ。行きましょう?私たちのアジトに』
そう言って私も建物の中に入っていった。
(こうなったら、とことんこの世界を楽しんでやる。今は組織の一人、シルビアよ。私の演技力、見せてあげる。果たして見抜けるかしら?)
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宵宮月 - 水縹さん» ありがとうございます。取り敢えず、勧めてくださったお姉様と、ハマってくださった水縹様に感謝です!あ、どうでもいい話ですが、姉がいるっていいですね。うらやましいぃ(( (2018年3月29日 17時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
水縹 - 姉に勧められて読んだのですが…ハマりました。完全に。もう、面白くて好きです!ほんと好きです!頑張ってください。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: 82e8451007 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - ゆきさん» 設定がツボとは...ありがとうございます!私もです← こうだったら良いなぁと思うものを詰め込んだら、こんな設定になりました(笑)更新は遅いですが、気長に待っていただけると幸いです。 (2018年3月11日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初コメ失礼します!夢主の設定が凄いツボです!あと、面白くて好きです!ありがとうございます!! (2018年3月10日 1時) (レス) id: 7e2effa0f0 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - aboutさん» ありがとうございます!そう言ってくれる貴方の方が神だよ...嬉しすぎて顔ニヤける((タメですみません; (2018年2月22日 20時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵宮月 | 作成日時:2017年8月6日 17時