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萩「ん〜…これ簡単な配線だな。すぐに終わりそうだ」
爆弾の蓋を開け、中身を確認した萩原さんが言う。
その言葉を聞いた殆どの人が安堵の息を漏らした。
殆どの人、つまり私は違う。
何せここは日本で一番治安の悪い米花町だ。
原作が始まっていないとはいえ、油断してはならない。
(このまま何もなければ良いんだけど…何か嫌な予感がするわ)
萩「よ〜し。あとはこの四つの配線を順番通りに切ればO《ピーー》…ッな、何だ!」
(!不味いッ…タイマーのカウントが早くなった!でも何で…
まさか、解体されるのを感知してカウントが早くなる仕組みだったの!?
それだと配線が簡単だった辻褄が合う!)
萩「カウントが早すぎて間に合わない…皆逃げろ!早くッ!!」
萩原さんの声と共に、一斉に逃げ出す警官と処理班の人達。
このままでは誰も助からないと思った私は、素早く爆弾の元へ行き鞄から小型のノートパソコンを取り出し、爆弾と繋いだ。
萩「おい!何やってんだ!!早く逃げろッ」
『私は大丈夫ですから!萩原さんは逃げてくださいッ!』
萩「!何で俺の名前…いや今はそれどころじゃないな。お前を置いていけないだろ!」
(あぁーもう!優しすぎるよ。貴方は命を落とすべき人じゃない…絶対助けるッ)
繋ぎ終わったパソコンと向き合い、爆弾の精密部に侵入する。
チラっとタイマーを見ると残り時間は二分をきっていた。
キーボードを押すスピードを上げ、精密部の制御を不可能にする。
次に爆弾のタイマーの速度を遅くさせ、時間を稼ぐ。
最後に鞄からコードを切る専用のカッターを取り出し、四つの配線を順に切っていった。
(ふぅ、これでどうかな…)
――ピ、ピ、ピー
萩「な!タイマーが止まった…助かったのか?」
『ふふ。えぇ、そのようですね。もう大丈夫ですよ。でも、念のため一度ここを出た方がいいかと』
萩「っ…そうだな。おいお前ら!もう大丈夫だぜ。外にいる奴に爆弾を回収しに来るよう伝えてくれ!」
部下1「は、はい!分かりました!!」
タイマーが止まったことに驚いていた萩原さんだが、さすがは爆発処理のエース。
すぐに冷静さを取り戻し、部下に指示を出した。
外に応援を呼びに行った部下以外が彼の周りに集まり、尊敬の目を向けている。
きっと解体したのが彼だと思っているのだろう。
その方が都合が良い。
(さて、今のうちに帰らせてもらおう。厄介ごとになるのは御免だわ)
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宵宮月 - 水縹さん» ありがとうございます。取り敢えず、勧めてくださったお姉様と、ハマってくださった水縹様に感謝です!あ、どうでもいい話ですが、姉がいるっていいですね。うらやましいぃ(( (2018年3月29日 17時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
水縹 - 姉に勧められて読んだのですが…ハマりました。完全に。もう、面白くて好きです!ほんと好きです!頑張ってください。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: 82e8451007 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - ゆきさん» 設定がツボとは...ありがとうございます!私もです← こうだったら良いなぁと思うものを詰め込んだら、こんな設定になりました(笑)更新は遅いですが、気長に待っていただけると幸いです。 (2018年3月11日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初コメ失礼します!夢主の設定が凄いツボです!あと、面白くて好きです!ありがとうございます!! (2018年3月10日 1時) (レス) id: 7e2effa0f0 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - aboutさん» ありがとうございます!そう言ってくれる貴方の方が神だよ...嬉しすぎて顔ニヤける((タメですみません; (2018年2月22日 20時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵宮月 | 作成日時:2017年8月6日 17時