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鋭い剣気に似たものを纏うウルドにA以外、口を挟む者は居なかった。


静観の姿勢を保つクルルと、困惑するルク。
仕方ないと言わんばかりに不満げながらも黙っているフェリド。


第二位始祖は圧倒的な権力と力を持つ者。


彼が苛立てば苛立つほど鋭さを増す気は他の上位始祖でさえも簡単に圧倒する。


近づくことさえもできない。




「もう知らない。お兄様なんて大嫌い!二度とその顔を見せないで!」




そこに容赦ない追い討ちと止めを刺したAはフェリドの首根っこを掴み、引きずる形で王の間を出た。


そして唯一安心できるフェリドの屋敷の一室である自室を目指した。







呆然とするウルドを尻目に、少しだけ緊張感から解放されたクルルは胸を撫で下ろした。


あとはルクがどうにかするだろう。
彼はそのためにウルドと共に日本に来たようなものだ。




「あー…えっと、ウルド様?まだ滞在日数はありますし、日を改めてAを尋ねればきっとわかってくれますって」

「…………」




気遣わしげなルクの言葉は耳に入っているだろうが、振りほどかれた手を悲しげに見下ろしているウルドはその言葉に返事をすることはなかった。









「んーAちゃん、ご機嫌ナナメなのはわかるけどさぁ…そんな状態でベットに寝てると見えたもの見ちゃうよ?いいの?」




いつもは律儀に靴を揃えてベットに乗る彼女がバラバラに投げ出した靴を揃えながら、丸くなっているAをちらりと見た。


ワンピースドレスを身に纏っている彼女は裾のことなんて気にしていないらしく、今にもその裾から太腿や臀部が露出しそうなのだ。


生憎フェリドはそれを意図して視界から外す努力はしない。寧ろ見れるならそれに越したことは無いとさえ思っている。


この警告はAの為ではない。
彼女にそのことを詰められた時、免罪符として振りかざす為のものだ。


だが、彼女はそれに気づくどころかフェリドの言葉を無視しシーツに顔を埋めた。




「参ったな、本当に見えちゃうんだけど」




そう言いながらそろりそろりとベットの周囲を歩く。
こうなるともう下心しかない。


Aが正常な判断力を失ってる最中はフェリドの領分だ。

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なな - 更新頑張ってください!フエリドと夢主の甘い関係が好きです。 (2021年12月27日 22時) (レス) @page23 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - shiroさん» コメありがとうございます!力関係が逆なのに振り回されちゃう主人公可愛いですよね…。もともとはフェリドに振り回されてほしいと思って書き始めたお話なのでその点を褒めて頂けて嬉しいです。まだまだ今後もスローペースで続きますがよろしくお願いいたします! (2020年10月24日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
shiro - 夢主ちゃんがフェリドに仕えたり、人間だったりする小説は沢山読みましたが、夢主ちゃんの立場がフェリドより上という設定が今まで見たことないものですごく好きです!立場が上のはずなのにフェリドに流されちゃう夢主ちゃんが可愛いです。更新楽しみにしています! (2020年10月23日 4時) (レス) id: 33dd7ff75e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年9月18日 13時

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