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14.変態と手を組む ページ7

ばーんとドアを開け放つフェリドを尻目にAは眉をしかめた。


フェリドが部屋に踏み込んで来たにも関わらず、ベットに横たわったままの体勢は変えることなく目を閉じる。


フェリドによって破られた平穏を少しでも取り戻そうと彼を視界から追い出した形だ。
どうせいつもの面倒事だ。
構う必要はない。




「わー!やばいよぉ〜Aちゃん!」

「うるさい」

「やばいんだって!もうね!ヤバい!」

「黙って」




彼がまたしてもトラブルを持ち込もうとしてるのは明白だった。


だからこそ、口だけでも取り合いはしない。




「えーそんな事言ってもいいのかなぁ。Aちゃんにも大いに関係あることだけどぉ?」




逐一気の抜けたような語尾が鼻につく。




「どうせ関係ないんでしょ」

「んー?じゃぁ第二位始祖様と第五位始祖様が日本に向かってきてるって言っても?」

「……………は?」




そこでやっと上体を起こしたと思えば、油断していたフェリドの胸ぐらを掴んでベットに沈めた。


簡単に腕一本の力で振り回されたフェリドは美しい銀糸をベットに散らす。
そして気だるげにAを見上げた。




「ちょっと、それを早く言ってくれない?」

「えーヤバいって言ったよ僕。それでも聞かなかったのご主人様だけどー…」

「……チッ」

「あはぁ」




シーツが乱れることもお構い無しにAはベットから飛び降り、脱兎の如く駆け出した。


行く先はフェリドでもなんとなく想像がつく。


さて、と。
ベットに体を押さえつけていたこの部屋の主も居なくなった事だし、もう少しAの残したこの香りを楽しんで追いかけようか。


どうせ第三位の実力を持つAには追い付けないのだ。ゆっくり行こうではないか。


それにしても彼女はいい香りがする。


握りしめたシーツに多くのシワを作りながら、鼻を近付けてみた。


この部屋で普段から生活をしている本人の香りが色濃く出るベットは特にいい香りが強くなる。


これは決して血の香りから来るものではない、本人の纏う香りだ。


早くこの香りの持ち主を手に入れてみたいと、フェリドは薄く笑った。


彼女を手に入れるには少しずつ気づかれないように外堀から埋める必要がある彼にとって、今回の上位始祖の来訪はとても好都合だった。

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なな - 更新頑張ってください!フエリドと夢主の甘い関係が好きです。 (2021年12月27日 22時) (レス) @page23 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - shiroさん» コメありがとうございます!力関係が逆なのに振り回されちゃう主人公可愛いですよね…。もともとはフェリドに振り回されてほしいと思って書き始めたお話なのでその点を褒めて頂けて嬉しいです。まだまだ今後もスローペースで続きますがよろしくお願いいたします! (2020年10月24日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
shiro - 夢主ちゃんがフェリドに仕えたり、人間だったりする小説は沢山読みましたが、夢主ちゃんの立場がフェリドより上という設定が今まで見たことないものですごく好きです!立場が上のはずなのにフェリドに流されちゃう夢主ちゃんが可愛いです。更新楽しみにしています! (2020年10月23日 4時) (レス) id: 33dd7ff75e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年9月18日 13時

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