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それもその筈だ。
彼女の兄は血眼になって長い歳月をかけ、探し回っていた。
持てる権力全てをも使い、たった一人の吸血鬼の行方を。
数百年にのぼる歳月をかけて捜索をしてもなお、Aの身体を害してしまった物の元凶を知る男の尻尾も掴めないというのは可笑しな話。
現にフェリドはウルドが手をこまねいている間に目的こそ違うものの、リーグの情報は多少なり掴めていた。
そこまで情報を整理して、クローリーは表情を曇らせる。
これではあまりにも変だ。
「でも、第二位始祖が吸血鬼の法に縛られて思うように動けなかったのはわかるけど、僕たちですら知り得た情報を第二位始祖が耳にしてないなんて可笑しい」
「…クローリーの言う通りよ。あり得ないわ」
「そこから導き出される答えは1つだよ」
未だAに跨がられ身動きが取れないにも関わらずフェリドはにこりと至極楽しそうに笑う。
「ウルドはAちゃんに言わなかったんだ。かなり早くに斉藤を見つけていたにも関わらず」
「……！」
「そんな酷いお兄さんより、情報共有を欠かさない僕の方が遥かに可愛げがあるよねぇ。まぁ、君は僕の手を取るともう決めてるしあまり問題じゃないと思うんだけどー」
逡巡する素振りをみせながらもAはフェリドに応じた。
今の話の通りならば、確かにウルドはAに何も話さなかったことになる。
ただ、彼が黙っているということは何かしらの理由があるに違いない。
ウルドは生真面目な性格が災いして、嘘をつくのが下手だ。
それを知っているAが常に一緒に居たにも関わらず、それを見抜けなかったなどあり得るのだろうか。
「Aちゃん、ほらほら、僕の方が可愛いでしょーそうでしょー？」
「……」
「Aちゃーん？」
「可笑しいわフェリド。お兄様は嘘をつくのが下手だもの。隠していたとも思えない」
「えーここに来てウルドの方信用しちゃうの？」
だが、胸につっかえた違和感が消えない。
なんだろうか。
「元々フェリドの信用なんてないわよ」
「え」
続く (更新停止中)
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なな - 更新頑張ってください！フｴリドと夢主の甘い関係が好きです。 (2021年12月27日 22時) (
レス) @page23 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - shiroさん» コメありがとうございます！力関係が逆なのに振り回されちゃう主人公可愛いですよね…。もともとはフェリドに振り回されてほしいと思って書き始めたお話なのでその点を褒めて頂けて嬉しいです。まだまだ今後もスローペースで続きますがよろしくお願いいたします！ (2020年10月24日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
shiro - 夢主ちゃんがフェリドに仕えたり、人間だったりする小説は沢山読みましたが、夢主ちゃんの立場がフェリドより上という設定が今まで見たことないものですごく好きです！立場が上のはずなのにフェリドに流されちゃう夢主ちゃんが可愛いです。更新楽しみにしています！ (2020年10月23日 4時) (レス) id: 33dd7ff75e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月18日 13時
