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ピンと立った細く長い、バランスの良い指。
フェリドは「まず、一に」と言葉を放ちそのままの指でAを差した。
「Aちゃんの血の呪いを解こう。そして次に、Aちゃんをウルドの呪縛から解放する」
「第二位始祖を呼び捨てなんて、不敬で捕まるわよ。だいたい、この吸血鬼らしくない呪いを解くだなんて今まで散々お兄様がしてきたわ」
「そりゃぁ、規律規律〜って煩いウルドのできることが限られてるのは当然だし、失踪してる吸血鬼を追うのは限度があるからねぇ」
つまり吸血鬼のための法すらも侵すということだろうか。
Aは困らないが、第二位始祖の目に止まっていの一番に処罰されるのは彼だろう。
クローリーだって巻き添えを食らうのは目に見えている。
ちらりと様子を伺うと、クローリーよりもチェスの方が不満げな表情を露骨にしていた。
「僕の父さんは斉藤と名乗り、今は百夜教という組織を率いてる」
「なっ」
「ウルドはそこまで掴めてたかなー？」
リーグの失踪直後、Aが吸血鬼の血しか飲めなくなっていることに気づいたウルドは確かにリーグの行方を探っていた。
だが、彼はリーグの尻尾すらも掴めなかった。
リーグは頭が良い。
きっと、彼はウルドの行動の裏をかくようにして逃げ回り、痕跡も跡形もなく消し去っていたのだろう。
彼特有の狡猾な手口は想像に容易い。
躍起になるウルドがいる一方で、当のAは吸血鬼の中で誰かしらが血液を提供さえしてくれるならば、今まで通りに過ごせるのだから文句はないとさえ思っていた。
流石に兄から血を採ることはしなかったものの、ルクは快く協力もしてくれた。
それから千年近く。
この事は進展がないまま。
「フェリド、リーグと繋がってるの…？」
「いやぁ、それはないよ！僕は捨てられた身だ」
疑うかのようにすっと目を細めたAはわざとらしくヒラヒラと手を振るフェリドの手を目障りだと言わんばかりに叩き落とす。
「つれないなぁ…でも、ちょっと調べればわかることだよ。斉藤はここ数百年、ずっと日本を拠点としてる。ねー！クローリーくん！」
「僕を巻き込むなよー…」
「クローリーも知っていたの？」
それに渋々頷いたクローリーは少なくとも情報源はフェリドだと言ったが、Aにとっては衝撃だ。
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なな - 更新頑張ってください！フｴリドと夢主の甘い関係が好きです。 (2021年12月27日 22時) (
レス) @page23 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - shiroさん» コメありがとうございます！力関係が逆なのに振り回されちゃう主人公可愛いですよね…。もともとはフェリドに振り回されてほしいと思って書き始めたお話なのでその点を褒めて頂けて嬉しいです。まだまだ今後もスローペースで続きますがよろしくお願いいたします！ (2020年10月24日 21時) (レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
shiro - 夢主ちゃんがフェリドに仕えたり、人間だったりする小説は沢山読みましたが、夢主ちゃんの立場がフェリドより上という設定が今まで見たことないものですごく好きです！立場が上のはずなのにフェリドに流されちゃう夢主ちゃんが可愛いです。更新楽しみにしています！ (2020年10月23日 4時) (レス) id: 33dd7ff75e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年9月18日 13時
