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4. ページ17

「おい、起きろ」

「……ん」

「寝るな、いつまでそうしてるつもりだ」

「ウルド…」

「お前が抱きついてるのは私ではない」




ルクの肩越しにAに語りかけるウルド。


それに対してなんとか答える彼女だが、まだ起きているとは言えない。


ルクが話しかけるとあまり反応しないが、ウルドへは反応するらしい。




「ルクからその手を離せ」




青いジャケットにシワをつくる手。


もちろんそう言い聞かせた所で、固く握られた手が開く筈も…開いた。


不思議なことに、ウルドの声には従うのだ。
解放されるまであと少し、あと少しだ。




「う…る………」




手持ち無沙汰になってしまった手が虚空を掴む。


ウルドがその手を取った。
そして、一気に引っ張る。


無理矢理に上体を起こされた彼女は否応なしに意識を覚醒させた。


なるほど、こうやって起こすのか。
そう関心してる場合ではない。



「おはよう、ございます……んー二人とも何してるんですか」



もう少し寝ていたかったと言わんばかりの態度でAが発した言葉。
男二人は頭を抱えた。


無意識、無自覚にも程がある。


この瞬間、ウルドとルクの意見は合致したはずだ。


とりあえずこの後はウルドに任せようと、ルクはベッドから脱することに成功した。
あとは逃げれば多少の責任は逃れられる。


ルクはずる賢い頭だと我ながら自賛する。


なんとか危ない局面?は乗り切れたようだ。




「とりあえず、俺は隣の部屋に居るんで」




そうルクが去って、Aにとっては謎の沈黙が続く。


だんだん頭がはっきりしてきた。

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くれは(プロフ) - 完結おめでとうございます!ふと、ウルドが恋しいと思い戻ってきてこの作品を拝見しました。とても素敵な作品でした。この一言で終わらせるには勿体ないですが、ここら辺で…他の作品でお会いできたらな…と思います! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 8383034622 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺいとー | 作成日時:2020年7月11日 23時

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