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「福良さん、似合ってます?」
「おーー!!似合ってる似合ってる!やっぱり青似合うね」
「うおぉ、そんなに見られると照れる…」
「なになに、可愛いね」
「可愛いとか言うな!」
俺と彼は昨日結局ペアルックしたいと思った服をそれぞれ2着買って渡す事にした。ということで俺は青色のパーカーを選んだ。彼はきっと寒色系が似合うだろうと思って青色を選んだので、喜んでくれているようでほっとする
「で、河村は何を選んだの?」
「僕はねぇ、これです!」
「あ!かわいい!ニットかあ!」
「そう!福良さんいつも同じ白ニットしか着ないから、思い切ってタートルネックにしてみました」
「そんなに俺白ニット着てた?」
「毎日着てる」
「それは言い過ぎでしょ」
そう文句を言いつつも彼の買ってくれたタートルネックに袖を通す。鏡を見ると意外としっくり来るので驚いてしまう。彼はファッションセンスも良かったのか、と変な感嘆をした
「俺めちゃくちゃね、デザインすきかも」
「良かった!」
「これでお揃いが増えたね」
結局今日はニットを着ることにして2人でテレビの前に座る。タートルネックに銀色のネックレスがよく映えてキラキラと輝く
「福良さんちゃんとネックレスしてくれてるんだ」
「当たり前でしょ、河村こそちゃんと指輪してくれてる」
「それこそ当たり前。これは死んでも離さない」
「死んでも」という言葉を強調したように聞こえたのは気の所為だろうか、彼は一瞬きつい表情をしたが直ぐにいつもの彼に戻ってテレビのリモコンをいじり始めた
「ろくな番組がないな、再放送ばっかりで」
そう文句を言いながらチャンネルを回しているとあるひとつのニュースに辿り着いた
「速報です。政府が、地球からの脱出を希望する人を集めて3日後に大型宇宙船を出航させる予定があることを発表しました」
音が、止まった
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時