【H×H】世界はいつも無感情 (ページ25)

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23.狂気ページ25

『勝者406番』

「ああ・・・キミって何でそんなに美味しそうなんだろうねぇ◆」

後ろで見守っていたヒソカが光悦とした表情で変態発言するのをAはスルーして片方の手を高々と挙げる。

「ねぇ試験官、残り全員相手にするのってあり？」

『！』

「！」

この言葉に試験官と囚人たちは勿論、ヒソカも少なからず驚いたようだ。

『・・・正気か？』

「キミが全部頑張る必要はないんだよ◇時間はまだあるし後はボクに任せればいい◆」

「もう決めちゃった」

決めちゃった、と茶目っ気たっぷりに言うがその青い目に宿る炎はハンターそのものである。

どことなくネテロに似ているAに試験官は興味を持ちその無茶ぶりを承諾したのだった。

『ふん、いいだろう。406番対残り99人！』

「おい、まじかよ」

「いくら強いとはいえ99人なんて相手にしたらあいつぜってー死ぬって。馬鹿だなー」

「いいじゃねーか、もう１つの権利使えば卑怯な手も何でも使えるぜ」

ざわざわと興奮した様子の囚人たちをフィールドに出したあとリッポーは高らかに告げた。

『戦闘、開始！！！！』

「ルール追加ァ！！三つ目、受験生は」

戦闘開始直後にここ全体に響き渡るような大きな声でルールを追加しようとした囚人一人の声は
全て言い終わる間もなく途中で途切れた。

しーん、とフィールドは静寂に包まれる。

Aのとった行動は"最後の一つを言う前に殺す"だった。

Aは既に初めの戦闘の時からこのシーンが頭の中に流れていたのである。

呆気にとられた囚人たちは少し行動が遅れてしまいそれが仇となって
Aのスピードに翻弄されながら次々と命を落としていった。

Aは口の端をわずかに上げて言ったのだった。

「はい、おわり」

「ゾクゾクしたよ◇よく考えたねぇ◆」

「まぁ賭けではあったんだけどね。ああいう状況にする為には全部運が必要だから」

初めの試験をクリアした二人は永遠と続きそうな道を話しながら歩いていた。

何の話かというと、先程のAの戦闘についてだ。

計画的な戦闘に興味をもったヒソカが質問したのだった。