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『美味しかった…こんな高そうなところ滅多に行かないから新鮮だった…！ありがとう』
tn「それなら良かったわ…なぁ、A」
食事を終えて、そう話しているとふとトントンがいつになく深刻そうな表情で話し始めた。その表情に、きゅうと心臓が締め付けられる気がした。頭に浮かぶのは先日見かけた女の人とトントンの姿。最近までの不安が一気に蘇って、冷や汗が背中を伝う。
嫌だ。
別れるなんて言わないで。
『トント…』
tn「誕生日、おめでとう」
『へ』
そう言ってトントンが差し出したのは、四角形の箱。私は想像していた状況と違う展開に固まってしまう。そのままトントンは箱を開けた。その中には
tn「…A、愛しとる。…俺と結婚してくれへんか」
ダイヤが1つ小さくあしらわれたいわゆるエンゲージリングだった。
『…っ、待って…うそ…？夢？』
tn「夢ちゃうわ…」
未だに信じられない私にトントンは顔を真っ赤にしてそう返す。
『え、最近用事があるって言ってたのは…？』
tn「ん？あぁ…ここの下見したり、これ買いに行ったりとかやな…上司とその奥さんに指輪選びとか手伝ってもらったりしたな…」
つまり、あの時見た女の人はトントンの上司の奥さんで、その隣には上司もいたのだろう。最近忙しかったのも全部このためで…。
『…っ良かっ、た』
tn「！？A…？！」
安心した私はぼろぼろと涙が零れてしまった。勝手に疑って、不安になって、馬鹿みたいだ。トントンはずっと私のために動いてくれてたのに。なんとか涙を拭って、改めて突然泣き始めた私を心配しているトントンに向き直る。
『…私も愛してる。こんな私で良ければ、トントンの、奥さんにしてください』
tn「…！ほんまやな？…っありがとうな…絶対幸せにする」
そう言ってトントンはエンゲージリングを箱から取り出して私の左手の薬指にはめた。きらりと照明に照らされて反射で光る指輪を見つめていると
tn「そ、そういえばさっき泣いたのはなんでやったん？嬉しいって感じやなかったから一瞬振られたんかと思ったわ…」
『…あー』
トントンに話を戻されたことで私は目を泳がせながら事情を説明した。事情を聞いたトントンはしばらく声を抑えるように笑っていたが、
tn「…いや、すまん。俺も変に隠さん方が良かったな。不安にさせてすまんかった」
と言うもので、恥ずかしいやら嬉しいやら申し訳ないやらで顔を真っ赤にしたままお店を出てふわふわした気持ちのまま帰宅した。
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リツカ(プロフ) - 人外人間白乃雫さん» 人外人間白乃雫さんコメントありがとうございます！大変お待たせしておりますが、楽しみにしていただけて嬉しいです！頑張ります〜 (4月5日 13時) (
レス) id: 38d80545ef (このIDを非表示/違反報告)
人外人間白乃雫(プロフ) - tn氏ルートきちゃああああああああ！！！！！！ 応援してます！更新頑張ってください！！ (4月4日 22時) (レス) id: 4a8cb482e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツカ | 作成日時：2024年4月4日 22時
