33話 ページ43
Aside
マレウスに頂いた服を着て、歩き出す。自然と握られた手は離さず、私の歩幅に合わせてゆっくりと足を進めてくれる。
…以前も、こんな風に並んで歩くのが当たり前だったらしい、私は覚えてないけれど。ふと見上げたマレウスは、どこか懐かしそうに微笑みながら話をしていた。
彼ははじめ、私との思い出話をすることを躊躇っていた。恐らく、記憶を失った私が混乱するのを防ごうという思いから来た気遣いだろう。けれど私は、自ら｢話して欲しい｣とお願いした。
たとえ私の知らない私のことだとしても、一刻も早く記憶を取り戻すためには必要な情報。それに彼らとしても、私に思い出して欲しいことが沢山あるだろう。例えば……そう、
私が、ただの友人
これは勘だが、マレウスが昨日言った｢君は友人だ｣という言葉は偽りである可能性がある。確証も何も無いが、今までの短い時間でマレウスやリリアと接していて感じた違和感は少なくない。
おぼつかない手、触れる度に赤くなる頬、妙な会話、大量の服、そしてこの待遇…
自分のことすらまともに思い出せない私でも、これだけははっきりとわかる。
………ふたりは私に、何かを隠している。
こうしてくるくると働く頭の回転の速さや勘の鋭さに、自分自身が違和感を感じているくらい。心做しか、鼓動が早まっている気がする。
私は、一体何者なのか＿＿＿＿＿＿
ﾏﾚｳｽ｢待たせたな｣
ふとマレウスが立ち止まり、目線の先を追う。階段を下り広い談話室に入った所には、マレウスと同じ制服を着た人が私たちを見ていた。リリアの姿もあり、可愛らしい笑顔でこちらに手を振っている。
｢いえ、俺たちも丁度支度を終えたところです！｣
ﾏﾚｳｽ｢そうか｣
聞き覚えるあるハキハキとした声。昨日部屋に運ばれた時に、マレウスと会話をしていた人だろう。
マレウスが後ろに立っていた私を隣に引き寄せると、彼らに私のことを紹介する。挨拶をすると、ふたりの青年も自己紹介をしてくれた。
ｼﾙﾊﾞｰ｢マレウス様の護衛を務めさせて頂いている、シルバーと申します｣
ｾﾍﾞｸ｢お、同じく！セベク・ジグボルトと申します！｣
落ち着いて話すシルバーと対に、カチコチに緊張した様子のセベク。ふたりの温度差に、マレウスとリリアはくすくすと笑っていた。
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (
レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ｧｧｧ！若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです！マレウス様かわいい！ (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？めっちゃ好きです！！更新楽しみに待ってます！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2020年7月30日 1時
