31話 ページ40
ﾘﾘｱ｢あ〜ワロタ、朝から愉快じゃ｣
ﾏﾚｳｽ｢リリア｣
ひとしきり笑った後、涙を拭うわしを睨むマレウス。どうやら自覚はあったようで、余計なことを言わせないようにと牽制を試みている。
『あの、この方は？』
丁度いいタイミングでAが話を振る。このメンツからして、わしのことだろう。…やはり、覚えていなかったようだ。
ﾘﾘｱ｢おっと、自己紹介がまだじゃったな。
わしの名はリリア…リリア・ヴァンルージュ、マレウスのお目付け役じゃ。よろしく頼むぞ！｣
『はじめまして、リリアさん』
ﾘﾘｱ｢さん付けなどせず、気軽に“リリア”と呼んでおくれ。マレウスと同様に、お主を昔から知る者の一人じゃからのう｣
『そうなのですね、分かりました』
ﾘﾘｱ｢敬語も無しじゃ！｣
『えっ？…そ、そう』
ﾏﾚｳｽ｢必死だな、リリア。“ゆっくり慎重に”…だぞ｣
戸惑った様子で笑うAの横で、さっきの仕返しと言わんばかりの悪笑を浮かべながらつついてくるマレウス。
ﾘﾘｱ｢むっ、そんなことわかっておる…！
それより、子どもたちが先に他の寮生を談話室に集めて、お主を待っておるぞ｣
ﾏﾚｳｽ｢そうか…ならば行くか。Aは着替えて待っていてくれ、あとで僕が迎えに行く｣
『はい』
マレウスは時刻を確認し空いたティーセットを片付けると、わしの背中を押して部屋から出る。去り際に手を振ると、Aは可愛らしい笑みで返してくれた。
ﾘﾘｱ｢眼福じゃのう…老いた体に染みるわ｣
ﾏﾚｳｽ｢行くぞ｣
ドアを閉めると、マレウスはわしを置いてさっさと歩いて行く。後ろを追い掛けながら、マレウスの顔を覗き込む。
ﾘﾘｱ｢マレウス、ヤキモチか｣
ﾏﾚｳｽ｢………違う｣
ﾘﾘｱ｢図星じゃな｣
ﾏﾚｳｽ｢違うと言っている｣
ﾘﾘｱ｢くふふ……そういうことにしておこう｣
これ以上揶揄うのはよそう、後が大変だ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『……リリア・ヴァンルージュ』
どこかで聞いたことのある名前を、繰り返し呟いてみる。けれども、しんと静まり返った部屋に響くだけで、頭のモヤは晴れてくれない。
マレウスとリリア……ふたりは以前の私を知る重要人物であることが分かった。あの様子からして、私は彼らと親しい中であることも感じ取れる。しかし……
『…何か、おかしい』
彼らは私に……何かを
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Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい (2023年4月20日 2時) (
レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
出雲(元あやりん) - 若様ｧｧｧ！若様と誓いしていたなんて。おっし若様、アタシと結婚しまs((若様好きすぎて暴走してしまった。すk(((殴。すいません面白いですし、好きです (2021年10月22日 21時) (レス) @page21 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
三月アリス - めっちゃ好きです！マレウス様かわいい！ (2020年9月7日 10時) (レス) id: 742f423e47 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2020年9月3日 17時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？めっちゃ好きです！！更新楽しみに待ってます！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毘張 | 作成日時：2020年7月30日 1時
