番外編 風邪１ ページ18
高校生時代の敬人とAのある日＿＿＿＿＿
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〜ASIDE〜
「…ゴホッ…ゴホッ…」
風邪をひいてしまったようだ。
朝起きて気付いた。
敬人さんは珍しくまだ寝ていて、私が先に起きた。
昨日は仕事続きだったような気がする。
まあいつもよりも起床時刻が遅くなるのは理解できる。
私はベッドから出て、朝の支度にとりかかる。
制服に着替えてエプロンを付け、朝ご飯と弁当を作る。
これは熱が出ていようが風邪をひいていようが関係ない。
私の日課の一つなのでやらなければならない。
「…おはよう、A…」
いつもより1時間ほど遅い時間になり、敬人さんが起きてきた。
「おはよう、敬人さん。ごはん、もう少しでできるから、準備してきたら？」
「…あぁ…、そうする…」
敬人さんの前ではあくまでも元気でいないと。
彼の後姿を見ながら私は思う。
敬人さんの髪の分け目からぴょこんとアホ毛みたいな寝癖が立っていた。
後で直してあげないと…。
「今日もうまい」
敬人さんが言った。
私はそれにそうかな、と答えた。
「ああ、だが、少し味がいつもと違う…」
「え、そうかな…？」
味見はできなかった。
したけど、味がわからなかった。
鼻水が出そうになるのを何とかこらえながら私はご飯を口の中に入れる。
味がわからない。
すると敬人さんが急に私の額に手を置いた。
風邪がバレる…。
敬人さんは手を離した後、複雑そうな顔をした。
「熱があるだろう。それにいろいろ我慢してるのだろう」
「…そんなことないよ…」
「いや、そんなことある。かなり熱があるし、しんどそうだ」
「…大丈夫よ」
最大限の笑みを浮かべ、大丈夫だということを示す。
勿論そんなことしても意味はなくて。
「嘘を言うな。本当はしんどいんだろ」
「…そんなことないって…」
「はぁ…、お前というやつは…」
敬人さんはそれだけ呟きご飯を食べた。
私も味がしないと思いながら食べる。
食べ終わり、食器を片付けようとしているのを敬人さんに止められた。
「体調不良なのに何をしてる。俺がやっておくから…、体温測るぞ」
敬人さんは私を姫抱きにして寝室の方へ向かった。
何も言えない私だった。
「…38度。かなりあるじゃないか。なんで無理をしたんだ。ほら、制服脱いで。今日は学校を休め。体調を整えろ」
少々説教を受けながら私は着替えて布団の中に入った。
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番外編、入れたかった話です
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なつ(プロフ) - 琳さん» そう仰っていただいてうれしく思います！コメントありがとうございます！ (2020年9月12日 7時) (
レス) id: ac5ebdda5f (このIDを非表示/違反報告)
琳(プロフ) - とても面白かったです！毎日、この作品が更新されてないか確かめるのが楽しみで…！最後は無事、完結してくれていて、本当に読んでいて楽しかったです！ありがとうございました！ (2020年9月12日 6時) (レス) id: 57ed80866a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ | 作成日時：2020年7月24日 18時
