【REBORN】雪の灯火part8 (ページ7)

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286話ページ7

「やはり僕と同じ術者か。でもこんな子供だましじゃ、僕から金は＿とれないよ」

宙に浮く瓦礫を蹴り、クロームさんの前に跳んだマーモンさんのフードの下から大量の触手が伸びる

「きゃあっ」

『！！』

マーモンさんの生み出したものも幻覚だとわかっていても思わず声が上がりそうになる

クロームさんがマーモンさんの幻術により捕らわれてしまったことで、"床の崩壊"という幻術が解けた

すぐに立ち上がりフィールド上に再び視線を戻すが、クロームさんの顔は苦しそうに歪むばかり

(クロームさん…！)

「あぁっ」

「そんな…！」

「弱すぎるね。見せ物にもなりゃしない」

いとも簡単に彼女を捕まえられたことにがっかりした様に言葉をこぼしたマーモンさん

しかし

「誰に話してるの？」

「！？」

『！え』

「こっち……」

なんと捕まっていたはずの彼女も幻覚だったのだ

宙に浮いているのはクロームさんではなく、いつの間にか大量のバスケットボールが入ったボールカゴへと姿を変えていた

その一瞬の変化に綱吉くんたちも目を丸くする

「お…女がバスケットボールになったぞ！！」

「なぁ！？」

「ど…どーなってんの！？」

戸惑う彼らにリボーンおじさまが説明する

「幻覚だぞ」

「げんかく！？」

「互いに譲ることなく幻をつくりだす息をもつかせぬ騙し合い。こんなすげー戦いはめったに見られるもんじゃねーぞ」

綱吉くんにはおじさまの言った幻覚というワードが気になった様で、顔色が変わったのがここからでもわかった

「……げんかくって…たしか前にも…」

(そうです…私たちは一度見ましたよ。とても身近で)

あの、黒曜でのできごとが彼の中で思い起こされる

「骸の地獄道！！」

「……！！10代目！！やっぱりあいつは骸なんスよ！」

「え…！？」

彼女が骸くんではないことは、昼間に彼女と彼たちと会ったことで私にはわかっているが彼らにはそれがわかっていない

しかし

(彼女も、クロームさんも骸くんと同じように幻覚を使えることに驚いている自分がいます)

術が使える、というよりはこれほどハイレベルに幻覚を生み出せることに、だ

あの戦いから骸くんと出会い、そして今日この場で戦うまでにそんなに日は無かっただろう

けれど今彼女が遜色なく戦えているのは

(特異な体質もさることながら、これは天性のものでしょうね)