【REBORN】雪の灯火part8 (ページ6)

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285話ページ6

「よし、では円陣いくぞ！！」

「いい」

了平くんがいつもの様に円陣を組んで喝を入れようとするも、クロームさんはそれを静かに拒否した

「いらないよ、そんなの」

「あ…っ」

「何だあいつは…」

「ノリわりーな…」

彼女の反応に対して了平くんがムッとした様な表情を浮かべるが、それもお構いなしと
クロームさんはフィールドへと足を踏み出した

「いってきます」

クロームさんとマーモンさん、2人の霧の守護者が対峙する

その間にはどこか独特の空気が流れているように感じた

「今回のフィールドは体育館全てで、館内の物は何を使ってもかまいません」

「尚、このフィールドには特殊装置は用意されておりませんのであしからず」

レフェリーであるチェルベッロさんの言葉で、私の観察した通りだったことがわかった

今までの様に、特設リングも、張り巡らされた導線も、疾風を生み出す装置も、水上のコロシアムも用意されていないのだ

それはなぜか

(…おそらく、必要がないからですね)

私と同じ様に考えたリボーンおじさまの声に耳を傾ける

「無いものを在るものとし、在るものを無いものとすることで敵を惑わし、ファミリーの実体をつかませないまやかしの幻影＿それが霧の守護者の使命だからな」

何もない空間だからこそ、その使命を実行できるかが一目瞭然となるだろう

胸元に下がる雪のボンゴレリングに無意識に指が触れた

「観覧者席は同じ館内の指定スペース内とします」

「嵐戦と同じように赤外線感知式レーザーが設置されていますので、気をつけてください」

チェルベッロさんのアナウンスで頭上に設置されていた柵が各スペースに下ろされる

「それでは霧の対戦、マーモンVSクローム髑髏＿勝負開始！！！」

彼女たちの声を皮切りに、霧のリングを賭けた戦いが始まってしまった

先に動いたのはクロームさん
三叉槍を高く回し、地面へと静かに突く

(！この感覚は…骸くんの＿)

一瞬反応が遅れてしまい、クロームさんの放った術にかかってしまった

体育館の床の流動にバランスが崩れる

「うわ！」

「床がぁ！！」

「ぬお！！！

『っ！』

(幻覚だとわかっていても、このリアルさ…クロームさん自身も相当な術者なのですね)

しゃがみ込み、崩れる床に耐えていると今度はマーモンさんが動いた