【REBORN】雪の灯火part8 (ページ14)

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292話ページ14

焦り故か、饒舌になったマーモンさんの力が強くなっていくのを感じる

「人間は何度も同じ人生を無限にくり返すのさ。だから僕は集めるんだ！！金をね！！」

マーモンさんの声を皮切りに、世界がぐにゃりと歪み始めた

天も地も掴めない様な空間の変化にバランスを保つことができなくなり、尻餅をついてしまう

皆がその場に留まることに必死なことを他所に、一人愉快そうに骸くんが笑う

「クハハハ！強欲のアルコバレーノですか。面白い……だが」

湾曲した床に三叉槍を突き立てる

「欲なら僕も負けません」

その瞬間、四方八方あらゆるところから蓮の絡まった凄まじい火柱がたった

目の前のあり得ない光景にまるで船酔いの様に頭がクラクラしてきた

他の方々も同じ様で、体調が悪そうだ

「幻覚汚染がはじまっているぜコラ」

「ああ、脳に直接作用する幻覚をこれだけたてつづけにくらってんだからな」

それでも尚、戦いは激化していく

「ムッ、これほどの幻覚能力……おまえどこで…」

「地獄界にて」

「ふざけるな！！」

再びマーモンさんの術により世界が凍りつき一気に氷の世界へと姿を変える

綱吉くんの様子がどうもおかしい様だが、私自身も気をしっかり持つことで精一杯で詳しく伺えない

どうやら中にいる雪がこの変化を拒んでいる様な、そんな気がする

「とった」

なんとか揺らぐ視界に耐えながら中心を見れば、増殖したマーモンさんが骸くんの懐へと飛び込んだ

「死ね！」

体を広げ骸くんを閉じ込めたマーモンさんの外側から、無数の棘の輪となったファンタズマくんが追い討ちをかける

「ああ！」

「お…おい！！」

「骸さん！」

万事休すか

そう誰しもが思った時
黒い袋となったマーモンさんがうめいたのだ

「…！！バカな！！」

その声と共にパンと弾け飛んだマーモンさんの中からは、蓮の花を纏った全く無傷の骸くんが姿を現した

「堕ちろ、そして巡れ」

その手に、ハーフボンゴレリングを二つ手にして

「バカな！あのマーモンが…！！」

「勝った…」

「圧倒的だぞ…」

様々な反応を周囲が見せる中、彼は余裕そうな笑みを湛えたままチェルベッロさんに尋ねた

「このリングを1つに合わせるのですね？」

「は…はい…」

しかし、この戦いはそう簡単には終わらない

「まだだよ！！！」

マーモンさんの姿が細かな粒子から形作られていく