【REBORN】雪の灯火part8 (ページ13)

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291話ページ13

吹雪に視界が霞んだほんのわずかな間
その一瞬で骸くんの体が凍りついてしまった

綱吉くん達から焦りの含んだ声が漏れる

「完全に凍ってしまったぞ！！」

「じゃあ、あの骸は…幻覚！？」

「そんな！」

事の次第を静かに見守るが、マーモンさんが留めだと言わんばかりにフードの下をハンマーに変化させた

「さて、化けの皮をはがそうか。もっとも、砕け散るのはさっきの女の体だろうけどね」

猛スピードで氷漬けの骸くんへとマーモンさんが迫る

あわや木っ端微塵、となるその寸前
轟音と共に現れた火柱がマーモンさんを包んだ

そして、元の姿へと戻ったマーモンさんの身体に今度はいくつもの蔓が巻き付いていく

「！！」

「え！？」

『これは…』

鮮やかに、妖しく咲き乱れるのは

『蓮の…花……』

そして、それを咲かせたであろう彼の笑い声が再び体育館に響いた

「クフフフ、誰が幻覚ですか？」

「ムグ！！」

氷をすぐに溶かしてみせた骸くんとマーモンさんの立場は瞬時に変わった

マーモンさんの苦しむ声にきゅっと唇を噛んだ

「あのバイパーを圧倒してるぜ……」

「あれがツナの霧の守護者、六道骸だ」

「やっぱり、本物なんだ…」

わずかに笑った様に見えたリーボンおじさまに隼人くんが疑問をぶつける

「だとしたら、さっきまでの女はどーなるんですか…」

「クロームと骸をわけて考えちゃダメだぞ。クロームがいるから骸は存在し、骸がいるからクロームは生きていられるんだぞ」

腹部が陥没したクロームさんの姿が脳裏に浮かぶ

普通ならば命を落としている様な状態
それでも命を繋ぎとめているのは、骸くんの幻覚があってこそであり
骸くんはクロームさんがいることでこうしてここに立っていられる

(運命共同体…だなんて言ったら、彼は怒りそうですね)

槍を構え直し、マーモンさんへ不敵な笑みを向ける骸くんへと視線を戻した

「さあ……どうします？アルコバレーノ。のろのろしているとグサリ…ですよ」

「ムゥ！！図にのるな！！」

彼の挑戦的な態度に頭に来たのか
おしゃぶりを光らせ脱出したマーモンさんは、その勢いのまま何十にも分身した

そのまま突進するマーモンさんを、骸くんは槍を薙ぎ払い、蹂躙する
右目に格闘能力、修羅道の炎を宿して

「ムムゥ！！格闘のできる術士なんて邪道だぞ！！輪廻だって僕は認めるものか！！」

単体に戻り、怒りのまま飛び上がるマーモンさんは初めて追い込まれている様に見えた