【REBORN】雪の灯火part8 (ページ11)

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290話ページ11

渦巻く白い霧の中、響くのはあの特徴的な笑い声

「クフフ、クフフフフ」

「ムム？男の声…？」

マーモンさんが不審がったその刹那

不意に床が隆起し、それがマーモンさんを襲った

「ムギャ！！」

「クフフフ、随分いきがっているじゃありませんか」

だんだんと霧が晴れていく中、そこには僅かながら怒りを露わにした彼がいた

「マフィア風情が」

そう、あの六道骸くんが

彼を知っている者、そうでない者とで反応は様々だが
私はというと、骸くんが来てくれたことに安堵していた

「お久しぶりです。舞い戻ってきましたよ……輪廻の果てより」

その姿を見たのは精神世界以来だった為、相変わらずだなと少々苦笑いが溢れる

しかし緊張を解くにはまだ早い

先ほどの骸くんの攻撃により転がされてしまったマーモンさんが静かに浮き上がったのだ

「六道骸…どこかで聞いた名だと思ったが思い出したよ。たしか一月前だ、復讐者(ヴィンディチェ)の牢獄で脱走を試みた者がいた。そいつの名が六道骸」

「なあ！！」

「あの鉄壁と言われる復讐者の牢獄を…」

「ま…っまた脱走したのー！！？」

マーモンさんの話が正しいのなら、ちょうど彼と精神世界で出会った後ぐらいだろうか

(〈すぐに脱獄してまた目にもの見せてやりますから〉だなんておっしゃってましたけれど…本当に実践してしまうとは…)

彼の行動力には脱帽するが、法、掟を破るのは頂けない

それに

(〈脱走を試みた〉ということは…)

「だが脱走は失敗に終わったはず、更に脱走の困難な光も音も届かない最下層の牢獄にぶちこまれたと聞いたよ」

『……』

やはり、というか
脱走を遂行はできていなかったようだ

思わず目を伏せかけるが、骸くんはそれを笑ってみせる

「クフフフ、ボンゴレが誇る特殊暗殺部隊ヴァリアーの情報網もたかが知れてますね」

「ム」

「現に僕はここに在る」

掴み所のない彼だからこそ、本当にそこに存在していると錯覚しそうになる

それでも、ヴァリアー隊の霧の守護者でありアルコバレーノのマーモンさんは厳しい相手にかわりない

「面倒くさい奴だなぁ。いいよ、はっきりさせよう＿君は女についた幻覚だろう」

再びマーモンさんが幻覚で猛吹雪を生み出しフィールドを支配する

冷たい風に耐えながらなんとか中心を見つめれば、骸くんの体が凍りついていく

「おやおや？」

「幻覚でできた術士に負けてあげるほど、僕はおひと好しじゃないんだよ」