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今日のお悩み「あ、あれ…?」 ページ8

椚「ちょっと、Aさん?貴女ふらふらしてますよ?大丈夫ですか?」




職員室に入り、自分の席に向かおうとすれば、そう椚先生に呼び止められた私は、慌てて身を引いた。




『大丈夫ですよ〜。ちょっと、その、寝不足で。』




そう言い訳すれば、彼は眉間に皺を寄せ、納得いかない、というような顔で「そうですか…」とだけ言い、自分の机に着いた。

本音を言えば、大丈夫じゃない。
私はそんなに身体が強い訳じゃないのだ。普通の人より少しだけ病気になりやすい、ただそれだけだけども。




『え、っと…確かこの辺に…』




自分のデスクには、探しているものは無かった。しゃがんで机の下も見たけれど見つからなかった。
はて、確かにここに入れた筈なんだけど…

まぁ無いものは仕方ない。他の場所を探そう。
そう思い、しゃがんでいた私は机に手をついて立ち上がった、が。




『っ…ぅ…』




くらり、と強烈な目眩が襲ってくる。
歪む視界。傾く身体。

倒れる、そう思ったその時。
誰かが私の名前を呼んだ。




椚「Aさん!!」




そう、椚先生が私の名前を呼び、傾いた身体を受け止めてくれた。だが、その時には既に、私は気を失っていた。


次に目を覚ました時に真っ先に見えたのは、真っ白な天井と、視界の隅で書類に何かを書き込む椚先生と、私を挟むように反対側で欠伸をしている佐賀美先生だった。

佐賀美先生は私に気づくと、顔を顰めた。




佐賀美「お前、また倒れたのな。」

『す、すみません…』

佐賀美「ったく…お前が倒れると大変なんだよ〜。生徒が皆大丈夫ですか?!ってやってくるもんだからさ。」

椚「えぇもう、保健室が煩くて煩くて仕方が無くなります。」

佐賀美「あんだけ心配されんのも中々だなぁ。ま、こっちも結構迷惑だからさ、さっさと治せよー。」

『ご、ごめんなさい…』




両脇からこうも叱られちゃあ、もうどうしようもない。謝るしか選択肢が無い…

私は布団の端を、遠慮がちに掴んだ。
ふと、頭に佐賀美先生の手が置かれる。




佐賀美「…生徒に心配させないように、頑張って治せよ。Aちゃん。このベッドはいつでも空けておくから、ちゃんと睡眠取るよーに。」

『え、あ、あの…』

椚「…はぁ…貴女に倒れられるのは迷惑なんです。…生徒の悩みを聞いて、解決してくれる貴女は大切なんですから…早く治してくださいよ。」

『…ありがとう、ございます。』




二人の優しさが、心地良かった。

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夜透田 流(プロフ) - しゃけさん» ご指摘ありがとうございます。 (2020年11月1日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - おそらく、蓮見ではなく蓮巳だと思います。 (2020年11月1日 17時) (レス) id: 739f78e142 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 零さんの下僕さん» わぁぁ、ありがとうございます!!更新頑張りますね!もし読みたいお話とかあったら是非リクエストしてください〜 (2020年3月1日 11時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
零さんの下僕 - 最高でした!目次のとこ見て結構あるからちょこちょこ読もう〜とか思ってたのに、その日中に読み切っちゃいました。続き、楽しみに待ってます! (2020年3月1日 0時) (レス) id: 61b8c4ad42 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - Evaさん» ありがとうございます!やっとこさ受験が終わったので少しずつ更新していきますね! (2019年10月12日 21時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2018年2月23日 10時

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