第２７話 ページ30
朔間凛月side
凛月「…落ち着いた？」
『……うん…ありがとうね、りっちゃん。』
凛月「いいえ〜。それで？何があったの？」
やっと呼吸が落ち着いた彼女に、俺はそう問うた。
ビクリと揺れる彼女の肩。
泣き腫らしたからであろう、少しだけ赤くなった瞳には動揺の色が垣間見えた。
凛月「俺じゃ、頼りない？」
『そ、そんな、こと。』
凛月「はーい、まずはアイドルのAをやめようね〜。」
未だよそよそしい彼女に、そう諭す。
だって、せっかく俺はAの素を知ってるんだから、無駄に演技する必要は無いでしょ？
『え？ん？』
彼女は頭の上にクエスチョンマークを沢山浮かべているみたいな顔をして、数回瞬きした。
凛月「素のあんたの話が、聞きたいの。」
『お、おぉ……そ、そっすか…』
凛月「何その反応。」
『や、なんか予想外過ぎて…』
Aは照れくさそうに頬を掻きながら『あんたも、優しいとこあんじゃん。』と言った。
にへら、と笑った彼女の顔は、依然として弱々しいけれど不思議と俺の心が満たされるのを感じた。
…これが、惚れた弱みってやつなのかな。
『…レオと、喧嘩しちゃって。』
彼女が唐突に吐いた言葉は、それで。
『まぁ、私が悪いんだけどね？だから、大丈夫だよ。』
俺に心配させまいと笑った顔は、全然可愛くなくて。
凛月「…そう。」
さっきまで王さまに見せてた笑顔は、やっぱり俺には見せてくれなくて。
『…もう3時間目始まるから、帰るわ。』
凛月「…うん。ばいばい。」
『ばいばい。』
彼女はひらひらと手を振って、ベンチを飛び越え、走って行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 182人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星矢(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2018年1月31日 13時) (
レス) id: dcf3b5ad2d (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - 小説読ませて頂きました！更新楽しみにしてます！ (2018年1月30日 19時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - 僕も書いててそこまで来たなら気づけよとか思ってましたwでもまぁ英智が気づいたら物語が終わりそうなので我慢してましたww (2017年10月17日 17時) (レス) id: 83b255e42e (このIDを非表示/違反報告)
脳内パラレルワールド(プロフ) - 「第１４話」まさに「気づけ」ですね！思わずツッコミましたよww (2017年10月17日 13時) (レス) id: 51b674cbb9 (このIDを非表示/違反報告)
星矢(プロフ) - Knights を護る騎士でいたかったさん» あ、ごめんなさい、あんずよりも、って書きたかったんですwwごめんなさい、直しますねw (2017年10月8日 14時) (レス) id: 83b255e42e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜透田 流 | 作成日時：2017年9月17日 20時
