今日の相談「アイドル」 ページ18
燐音「おーい、おねーさん？もうちょっと優しく引っ張ってくんね？俺っち擦れていなくなっちゃいそう。」
『天城くんが自分で歩かないのが悪いんでしょ。おねーさんは知りません。』
燐音「えぇ？そこをなんとかするのがAちゃんの仕事っしょ！」
『そう、そんなに心理カウンセリングを受けたいのね。』
燐音「……」
以前。いや、以前といってもかなり前の話だが、彼は私のカウンセリングを受けたことがある。
普段アイドルのみんなの悩みを聞いているような、そんな軽めのカウンセリングじゃなくて、ガチもんのカウンセリング。まだ彼が、ここに来たばかりで、路頭に迷っている頃の話だ。
その時も、予約してるのにその時間に来なくて、こうやって探しに出て引きずって帰った記憶がある。
『…天城くんさぁ。』
燐音「んー？」
『アイドル、なんなのか分かった？』
燐音「……そうだなぁ。まぁ、それなりに？」
『そう。』
良かった、とホッと胸を撫で下ろしたその時に、彼を引っ張っていた腕から重みが消える。代わりに、私の肩に彼の重みと温かさが乗っかった。
燐音「なぁに？Aちゃんってば、俺っちのこと心配してくれてた？キャハハ、かーわいい！」
『あのねぇ、心配するに決まってんでしょ。天城くんは私の大事なアイドルなんだから。』
燐音「…！！」
いや、私の。なんてそれは言い過ぎか。アイドルはファンみんなのものだもんね？いや物でもないけど。それに体は資本なんだから、彼らのものでもあって、いやでも…うーん、難しい。
そうやって悶々と私が考えている横で、彼は控えめにくすっ、と笑った。
燐音「……ほんと、Aちゃんといると飽きねぇわ。」
『私天城くんより年上だけどね。』
燐音「キャハハ、聞こえねぇ〜！」
もう傾き始めた太陽に向かって、私の先を行く彼の背中を追いかける。
徐にこちらを振り返る彼は、傾いた太陽の光を背に、光り輝いているように見える。
燐音「……なぁ、燐音って呼んでくれよ。」
『…はぁ…どうしてこう、うちのアイドル達は名前で呼ばせたがるのよ。』
燐音「さぁ？…でもほら、好きな女には名前で呼んでもらいてぇじゃん。俺っちは、Aちゃんのこと大好きだけど？」
悪戯っ子のような笑みを浮かべる彼は、間違いなくこの世界で光り輝くアイドルだ。
『…はいはい。燐音くんね。』
燐音「くん付けねぇ…ま、及第点ってとこだろ。」
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夜透田 流(プロフ) - 勿忘草色の蜜蜂さん» ありがとうございます！HiMERUくんキャラを掴みきれてなかった自覚があったので、そう感じて頂けて嬉しいです！ (2022年4月14日 20時) (
レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草色の蜜蜂 - ひめる様ぁ…！すっごくよかったです！作者様ありがとうございます！ (2022年4月13日 20時) (レス) @page12 id: e814718385 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - moekaさん» コメントありがとうございます。現在作者の多忙につき、なかなか更新が出来ない状態となってしまい、今に至ります。本当に少しづつですが、下書きを進めていますので気長にお待ち頂けると幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月18日 15時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2021年10月13日 3時) (レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - しいなさん» コメントありがとうございます！コロナ禍ということもあり、大学生活が忙しく中々時間が取れず更新を止めておりました…少しずつでも進めていきますので、これからもよろしくお願いします！ (2021年4月29日 22時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜透田 流 | 作成日時：2020年3月23日 14時
