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第八十二話 保持会得 ページ40

竈門炭治郎side


『影の呼吸は、二種類あります。陰影の陰の字の呼吸と、影の字の呼吸。ほぼ同じ名前の呼吸ですが、型は異なり、反対に、光の呼吸に対しての反応は二種類とも同じです。』

胡蝶「ふむ…少々難しいですが、影の呼吸保持者では無い私たちからすれば、影の呼吸は二種類あり、その上光の呼吸と何か相反する力がある、ということだけ分かっていれば良さそうです。」

『さすがしのぶ…言いたいことを纏めてくれる…』

胡蝶「Aさん。」

『ごめんなさい。』





甘露寺さんの腕の中で『おーいおいおい』と泣き真似をするAに、彼女は不満気な顔をしてじとーっと睨み付ける。そんな彼女に、流石のAもたじたじだ。





『と、とにかく。胡蝶さんがそう仰ったように解釈してください。光の呼吸と影の呼吸は対になる呼吸です。 光があるから影ができ、影ができるから光が体感できるのです。私たちは二人で一つ。付かず離れず、相反しながら存在します。』

宇髄「あー……つまり?」

『つまり、相反する影の呼吸会得者には、光の呼吸の技は効き目が薄くなります。反対も同じです。』





そこでようやく、俺たちは事の重大さに気づくことが出来た。

この光に満ちた場所が、光柱の根城であり、懐の中であり、手の内だということを。
影の呼吸会得者では無い俺たちが、どんなに不利な状況なのか、と。





『……先に進みましょう。影は光とは反対の位置に現れます。私たちの影が指し示す方の、反対を行きましょう。』

我妻「ねぇ大丈夫なの?!ほんとに?!俺生きて帰れる?!てかもう帰りたい!!」

竈門「善逸うるさいぞ!」

我妻「だぁぁぁってぇぇぇぇぇ!!!!」





ひんひん泣きながら重そうに足を引きずる善逸に、Aは言ったんだ。





『必ず帰すよ。ここで散らせない。』





真っ直ぐに善逸を見て、俺たちを見て、彼女はそう断言した。

とても濃い決意の匂いと、血の滲む匂いがした。





『…………返り咲ける。』





だけど俺は、それに気付かないふりをした。

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夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» これからちょこちょことしか更新できなさそうなのですが、頑張って完結に向かいたいと思います…!本当にありがとうございます!! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます!!そうなんです!小説のそのシーンを書いてからアトラクライトの存在を知ったので実は無意識で似たセリフを出していたみたいなんです…アトラクライトめちゃくちゃ鬼滅とピッタリですよね…! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - アトラクトライトの歌詞入ってる!オァァァ!!ぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!…すいません。はい。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月21日 17時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 霞さん» 伊黒さんの心中が複雑すぎるのも考えものですね…解説付けたので良かったら読んでみてください〜 (2019年11月22日 9時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
- 伊黒さんいつからなんだ…蜜璃ちゃんより夢主がいいのかそうだろう夢主健気すぎてもういい子すぎだからな…!夢主の方が正しかった許された(?)から好きとかじゃないよな…努力云々はいなくなってから気付いたはずなのに結局最近まで嫌ってたんだし…? (2019年11月21日 23時) (レス) id: ce151a9693 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年11月7日 17時

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