第七十八話 是が非でも ページ36
我妻善逸side
『鶴まで…!…私はそんな我儘なやつに育てた覚えは無いぞ。』
不知火「それなら、師範の知らぬうちに我儘になったんですよ。」
東條「我儘なやつで構いません。強欲で傲慢な男なのです、俺は。…だから、行かせてください。師範だけを死の淵に立たせる訳には参りません。」
Aちゃんへと向き合う二人からは、覚悟と恐怖の音とが同時に聞こえる。大きく脈打つ覚悟の音に隠れるように、二人からは確実に恐怖の音が聞こえていた。
『…面倒は見てやれないよ、喜助。』
東條「!!」
「鶴はまだ呼吸が使えないからね。私と離れることは許せない。そうすると必然的にお前は別の隊になる。一人でやれるか。」
東條「勿論です、師範。」
ぐっと拳を握った喜助くんに、Aちゃんは溜息を吐きながら額を弾いた。おまけと言わんばかりに隣の鶴くんの額も弾き、彼女は「反抗期かなぁ」なんて呟きながら二人の名前を紙に載せた。
『…これで行きましょう。』
かたり、と微かに音を立てて置かれた筆。
名前が敷き詰められた紙を覗けば、そこには俺の名前までもが並んでいた。
我妻「……まぁ、ソウデスヨネ…」
竈門「俺と善逸と伊之助は綺麗に分けられたな。」
我妻「いやだって、たまたま関わってここにいるけど俺らまだ下っ端よ??この作戦に加わってる時点でだいぶ可笑しい状況でしょ。」
嘴平「しったこっちゃねーけどな!!」
隊分けは以下の通りだ。
第一部隊(本部)
悲鳴嶼、不死川、神崎、禰豆子
第二部隊(東)
愛染、不知火、胡蝶、時透
第三部隊(西)
東條、我妻、冨岡、栗花落
第四部隊(南)
煉獄、炭治郎、甘露寺
第五部隊(北)
宇髄、伊黒、嘴平
『各隊、一番最初に名前の書かれている者に従うように。もう時期日も沈む。準備が出来次第、門前に集合で構わないね。』
悲鳴嶼「問題ない。」
東條「了解しました。」
煉獄「うむ!」
宇髄「あぁ、分かった。」
各隊の隊長の返事を合図に、各々が戦闘準備に取り掛かった。
『……師範、ごめんなさい。』
この世に居ないその人に許しを乞う彼女の声は、俺にしか届かなかった。
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夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» これからちょこちょことしか更新できなさそうなのですが、頑張って完結に向かいたいと思います…!本当にありがとうございます!! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - ゆっくり四つ葉さん» コメントありがとうございます!!そうなんです!小説のそのシーンを書いてからアトラクライトの存在を知ったので実は無意識で似たセリフを出していたみたいなんです…アトラクライトめちゃくちゃ鬼滅とピッタリですよね…! (2020年8月21日 17時) (レス) id: d6a7ece567 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - アトラクトライトの歌詞入ってる!オァァァ!!ぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!…すいません。はい。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年8月21日 17時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 霞さん» 伊黒さんの心中が複雑すぎるのも考えものですね…解説付けたので良かったら読んでみてください〜 (2019年11月22日 9時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
霞 - 伊黒さんいつからなんだ…蜜璃ちゃんより夢主がいいのかそうだろう夢主健気すぎてもういい子すぎだからな…!夢主の方が正しかった許された(?)から好きとかじゃないよな…努力云々はいなくなってから気付いたはずなのに結局最近まで嫌ってたんだし…? (2019年11月21日 23時) (レス) id: ce151a9693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年11月7日 17時