第十七話 口論 ページ19
愛染Aside
あの日は本当に鮮明に記憶に残っている。
宇髄「お前らはまだAを疑ってんのか。」
伊黒「これは疑いでは無い。確信だ。特高殿は雪を陥れた。その証拠がこの雪の怯えた態度だろう。」
当時の柱の方々の冷たい視線。
今の柱の方々の蔑みの視線。
当時からは柱も代替わりを多少して、面子も変わってはいるが、視線だけは変わらない。
宇髄「確固たる証拠は一つも無い。地味に口説いぜ、お前ら。」
煉獄「何を言っている!雪の表情こそが最大の証拠だろう!」
あの時も、私を引き止めてくれたのは宇髄さんだった。多分、時透さんも止めようとはしてくれていたのだと思う。
彼の「馬鹿だ」と云うあの言葉は、きっと、私を引き止めるための言葉だったのかもしれない。
宇髄「なぁにが証拠だ!んなもん証拠にもならない。Aがいつ、何処で、光条を陥れたかって聞いてんだよ!派手に説明してくれよ!」
胡蝶「話の分からない人ですね。良いですか、彼女は特高殿が傷つけ、辱め、陥れたんです。特高殿で無かったら、書類を改ざんしたり、鬼を集中的に集めたりなんてものは出来ません!」
宇髄「そんなん誰だって出来んだろうが!!だいたい…」
『お話は終わりにしましょう。』
激しさを増す口論に、終止符を打った。
笑え、私。
『過去は過去。今は今です。…これ以上私に楯突くのであれば、不敬罪重ね反逆罪として処罰致します。』
ねぇ、笑っていられてるでしょう。
強くなれば、誰かが認めてくれる。
笑っていれば、誰かが信じてくれる。
そう、思っていた昔の自分を叱りたい。
顔を若干白くさせ、口を噤む面々ににっこりと笑みを向ける。
『…思い上がるなよ。私は、産屋敷様への恩返しに、ここへ来ているのですから。』
今なら、誰かが真実に辿り着いているかもしれないなんて…そんな淡い期待は、消え去った。
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夜透田 流(プロフ) - もやし好きのもやしさん» いえいえ!!むしろこんなんですみません!!ありがとうございます、頑張ります!! (2019年10月30日 17時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
もやし好きのもやし(プロフ) - うわあああコラボありがとうございますぅぅう!!うちの桜花がお世話になりました…!これからも応援しています!!! (2019年10月30日 17時) (レス) id: 6a4e808260 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 恋歌さん» ありがとうございます、頑張りますね!! (2019年10月27日 21時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
恋歌 - これからも頑張ってください!応援しています!! (2019年10月27日 20時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
夜透田 流(プロフ) - 恋歌さん» コメントありがとうございます!これからじわじわと思い知らされていきます…ちゃんと後悔して反省できると良いですね…書くのは僕なんですが(( (2019年10月27日 10時) (レス) id: 787493054e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜透田 流 | 作成日時:2019年10月10日 7時