【w.r/wr/d.!】幹部？いいえそれ以下です 第一幕

43 ページ44

syp視点


「ここ、ね、いつも来てくれるかんぶのお兄ちゃんが入ってって、おれ、気になったからついてった。
そしたら、へんな二人が、その人のあたまに、なにかぶつけて、バチバチ！ってなんか光った。おれ、こわくて、そこからにげちゃって……」


頭が混乱しながら、起こった事を拙いながらも教えてくれた。
子供の頭を撫で、落ち着かせるよう宥めながら、ゆっくり聞いていく。


syp「その君が見た幹部の人、どんな格好してたか覚えてる？」

「うん、まっくろの服、きてた。いつも、パトロールしてるお兄ちゃん」

syp「それってA様？」


そう聞くと彼はこくりと頷いた。どうやらA先輩が帰ってこない理由は、人攫いに遭ってしまったそうだ。


syp「ここまで教えてくれてありがとう。家まで送るから家教えてくれる？」


子供を家まで送り、急ぎ足で城まで戻った。


**********


食堂に戻ると、食害をしてるゾムさんとされてるコネシマさん・トントンさん。
それを見て煽っているシャオロンさん。ゲラゲラ笑っている大先生。美味しそうにものを口に運ぶロボロさん。
その場から少し離れて静かな食事をするオスマンさんとひとらんらんさん。楽しそうに食後のデザートを楽しむグルッペンさん。

エミさんを除いた全員が"いつも通り"の光景で、それが異様で気持ち悪かった。


em「ショッピくん……Aさんは……？」

syp「……分かりません」

em「分からない、ってどういう事ですか！？」

syp「人攫い、っすよ」


声が聞こえたのか、A先輩の部隊の人達は動きをピタリと止めた。というか、食堂にいたほとんどの人達の時が止まった。

ただ、幹部の皆さんは食べる手や煽る手を止めなかった。

……？→←42

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す