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上手く息が吸えない中、茶……いやエーミールが俺の背中を摩る。その優しさも初めてで、また涙を流してしまう。
少しした後、落ち着いた俺はエーミールを椅子に座らせ、落とした宝石を拾い始めた。
em「本当に綺麗ですね、その宝石は」
『……いるか?』
em「えっ!いいんですか?」
『俺が持ってても何の意味も無いし、研究とかに使いたいんだったら沢山やるぞ。
こちとら、何年分も溜まってるんだからな』
em「じゃあお言葉に甘えて……」
と、嬉しそうに箱に詰め込んだ宝石達を取り出す。
……今更だが宝石と言ってもしっかりと加工されたあの形状ではなく、細長くとても宝石には見えない形だ。
たまに丸っこいのも出てくるがな。
箱の中の色は結構黒い。そりゃそうだ。ドス黒い赤と青しかないんだから。
ホクホクとした顔のエーミールを見て、俺はさっきの話の続きを始める。
『なぁ』
em「どうしました?」
『俺はお前を危険に遭せたくない。多分、お前の事だから俺の秘密を知って、俺と一緒にいるつもりだろう』
em「……そうですね」
『でもこれは俺の問題だ。エーミールは気にするな』
em「でも」
『でも、とかそういう問題で解決する事じゃないんだ』
そう。何年も前から起こってるんだ。そんな簡単に解決なんてしないし、そもそも許してくれさえしないだろう。
なんとも皮肉なもんだな。
『さぁ、話は終わりだ。帰ってくれ』
em「ちょっと、Aさん!」
『この事は他言無用だ。もうこれ以上、俺の事を詮索しないでくれ』
部屋からエーミールを追い出し、カチャリと内側から鍵をかける。
扉に背中を預け、床に座り込む。
……どうしてだろう。また、宝石が落ちてきた。
『……ははっ、絆されちまった』
悪態をついたって、落ちてくる宝石の色は明るい色だらけだった。
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夜殺神 - 恋の戦争宣戦布告もみたでー!おもろいなぁ…あと小説の設定の書き方がいまいちわからないんで教えてくれません? (2019年10月24日 1時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - 夜殺神さん» ありがとうございます!!!┏○))ペコリ (2019年10月22日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
夜殺神 - 面白いなぁ…更新頑張ってください……もっかいみてきまぁす (2019年10月17日 16時) (レス) id: c7c69bdb8e (このIDを非表示/違反報告)
來憂(プロフ) - セイカさん» ありがとうございます(*ˇωˇ) (2019年10月2日 20時) (レス) id: 4ee53ee2f1 (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月2日 15時) (レス) id: 517bdcf732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來憂 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/seiya02201/
作成日時:2019年9月15日 9時