【w.r/wr/d.!】幹部？いいえそれ以下です 第一幕

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『涙石病』

em「へ？」

『それが、俺の生まれつき持ってる病気。発作っていうか、一日一回出さねぇと酷い頭痛とかたまに目が見えなくなる』


そう言って箱の中身を見せる。今まで出してきた、ドス黒い赤や青の宝石が、部屋の明かりで鈍くキラキラと光る。
その中に今出した沢山の宝石を入れて、元の場所にしまった。


『涙石族って、聞いた事あるか？』

em「えぇ神に嫌われ不老不死の力を得たという……ですが、涙石族の皆さんはもう滅亡したと……」

『その一族の末裔が俺って言ったら？』


茶はぽかんと俺を見つめる。
サバイバルナイフを引き抜き放っておくと、すぅっと傷口が消えた。


em「ひゃああ！？」

『そこまで驚くか？』

en「で、では、Aさんは不老不死なんですか……」

『うーん……言い伝えと妙に違うんだよ。ちょっと待ってて』


本棚から一冊の本を持ってくる。
これは伝承や言い伝え、神話などの事が細かく書かれた本。
……信憑性は限りなく低いが。


em「"神は人を愛した。何故なら自ら作り出したから。神は異端者を嫌った。何故なら他と掛け離れているから。"……これは？」

『俺達の事を示してる。人間はエーミールとかを言っていて、異端者は俺達みたいな"ナニカ"を持って産まれてきた事』


例えば、そう言って他のページをペラペラと捲っていく。


『そうだな、嘔吐中枢花被性疾患……花吐き病とか、トロイってのとか…… まぁ、人と少し違うところが、異端者って訳だ』

em「はぁ……」

『これが俺の身体の事。……あ、あとここも読んで』


指示した所の文章は、俺達涙石族の所。
自分はそこまで興味を抱いてないから、何にも感じない。


em「"神に嫌われた存在は、不老不死を与えられた。老いる事もﾀﾋぬ事も出来ず、この世界が無くなるまで永遠と。"」

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