【w.r/wr/d.!】幹部？いいえそれ以下です 第一幕

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目が覚めた。

そこは城の中の医務室で、薬の匂いで鼻がツンとする。眠い目を擦り、脇腹を見る。そこには、包帯が巻かれていた。誰かが巻いてくれたのだろう。
……まぁ、別に大丈夫なのだが。苦しいから、もう取ってしまおう。

俺の両隣にオプロイテとスパルタクスが、ぐっすりと気持ちよさそうに寝ている。
その光景がとても微笑ましく、頭を撫でていると誰かが入ってくる。

……足音も、歩き方も、癖も、何もかも違う。
スパイか？などと考えている内に、カーテンが開けられる。


??「……おや、お目覚めですね。おはようございます」


誰だこいつは。ギロリと睨むとそいつはビクリと体を強ばらせた。

兵士……には見えない。体格とかの問題で。


??「Aさんが私の事を知らないのは当然ですよ」

『……！何故、俺の名前知ってる？』

??「全軍人の資料を見ましたからね。Aさん、貴方は丸一週間ほど眠っていたのですよ」


目を細めて困ったように笑うのは、緑と重なって見えた。違う人なのに。
それにしても一週間か。長い間寝てしまったな。


em「あぁ、自己紹介を忘れていましたね。私の名前はエーミールと申します。トントンさんの補佐として来ました。戦うのはさほど得意ではなく、医療や作戦等の主に後方を担当しています」


モノクルの奥から見える、薄い灰色がかった目で俺を見るエーミール。
……どうせ嫌われるんだ。だったらもう、突き放した方が楽だ。

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