【w/r.wr/d.!】我君を愛す【短編集】

＊grpn《不作は理由にならない》 ページ9

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ここは、お米でとても有名な新潟。新潟での私の身分は、一応一番上なのだが、皆と一緒に米作りをしている。唯の一般人と言っても過言では無いだろう。
目の前に広がるは、金色の稲穂。風でそよそよとなびきながら、キラキラと太陽の光に照らされ、とても明るかった。

…だが、私達の表情はどうだろう。じっと下を見つめ、同じ作業を繰り返すその顔は、雨が降った深く沈み淀んだ雲のように暗かった。

こうなってしまった理由は、全て私の責任だ。北と南の脅威に怯えていたら、西の脅威が一気に押し寄せてきた。空挺部隊も降下され、ここら一帯の土地はボロボロだった。西の脅威もとい大阪は、隣の富山をいとも容易く突破し、こっちまで来た。結果、私達は属国の扱いとなり、新潟県民の身体もボロボロになっていく。

……ほら、噂をしていたら大阪… いや、グルッペンが来た。


gr「Aよ、今年の収穫量はどのくらいだ？」

『およそ50t後半です。』

g4「ふむ…… 去年より減ってはいないか？」


なんでも見透かしたその顔が、その瞳が本当に嫌い。私は、何も言い返せなかった。


gr「増やす事は出来ないのか。」

『土地はあります。…ですが、人手が足りないのです。それに、今年は台風の影響もございましたので、去年よりかは不作だという事は、重々承知しています。』


グルッペンは黙る。私の意見が、意志が届いたのだろうか。 ……だが、現実はそこまで優しくない。


gr「だから何だ？お前ら新潟は、我々大阪の属国。俺と同じような対等な場所に立てるわけがないだろう？」


一気に絶望に叩き落とされたような気がした。
この鬼、非道!!! なんて、声を大にして言ったら、どのくらい清々しくなるのだろうか。それとも、新潟が滅びるのか…… 当然、後者だろうな。

私は頭を上げず、そのままの姿で深く頭を下げ直す。


『……申し訳ありませんでした。』

gr「それは何に対してのだ。」

『っ……!! 不作だというのを理由にし、大阪様に楯突こうとした事です。』

gr「分かっているのならいい。 ……ではAよ、引き続き宜しく頼むゾ。」


嗚呼、誰か私の願いを叶えて下さい。
あの、悪魔のように非道なグルッペンを。大阪を滅ぼして下さい。

＊tntn《攻撃は最大の防御なり！》→←htrn《忘れていたのは俺だった》

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