【w/r.wr/d.!】我君を愛す【短編集】

knsm《黒髪に染める》 ページ6

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kn「なぁなぁ、Aってどんな感じに髪染めたん？」

『え…… いきなりどうしたの。』


私は元々髪の毛を染めていて、今は茶髪にしている。昔は金髪だったんだよ。ヤンキーって言われてたけど、あんな怖い所に手は染めていない。

私の髪を見ながら、コネシマは問い掛けてきた。


『どんな感じ…… って言わてもねぇ。』

kn「じゃあ、質問変える。髪染めんの楽しい？」

『そりゃねぇ… 自分じゃない自分を発見できるんよ。簡単に言うと、化粧と同じ感じ。』

kn「Aって化粧してるん？」

『面倒いし肌荒れるから、あんまやらない。』

kn「どっちやねん！」


最近、もう1回金髪に染めたいと思っている。
それに対し、コネシマは黒髪。今更黒髪に戻しても、髪の毛は痛みまくりで、綺麗な黒には戻れない。


kn「……俺も、Aみたいに、髪染めたい。」


いきなりの事で、コネシマを二度見する。
当の本人は何で二度見されたのか分からず、頭の上にはてなを浮かべる。


『ちょちょちょ！いきなり何言ってんの！？』

kn「せやから、髪染めたい言ったんやけど。」

『何で！？ 黒髪の方が断然いいと思うんやけど！』


コネシマの肩を掴み、ぐわんぐわんと揺らす。


kn「……何で、そんな必死に止めるん？」

『えっ？』

kn「おかしない？絶対、なんか理由あるやろ！」


私が押していた筈が、気付いたら形勢逆転と言うべきか。今度はコネシマに押されてるではないか。
視線を泳がせても、ずいずい詰め寄ってくるコネシマに、私は痺れを切らした。


『だって…… シッマ、黒髪の方が絶対かっこええもん。』


初めてこんな事を言った気がする。羞恥心で耐えられなくなり、顔を隠し俯いていると、コネシマの気の抜けたような声が聞こえた。
顔を上げようとすると、コネシマに抱きつかれる。少し力は強いけど、心地よいことには変わりない。


kn「あー……ちょっと、こっち見んといてくれる？嬉しすぎて、こんな顔見せられんわ。」

『同じく私もよ……』


今でも、コネシマは黒髪のまま髪の毛を染めていない。私の髪の色は、きちんと元に戻した。



(スポーツ王で、髪を染めた事ないって言ってたのを思い出しました)

zm《緑は安らぎを》→←shorn《異動と人気者》

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