シャイニング事務所の清掃員が帰って来た。またトラブルを連れて。【男主】 (ページ3)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:10,017 hit

op.01「一を聞いて十を知る」ページ3

8月。

大半の学生が夏休みに入り、今も何処かで遊んでいるだろう。

しかし、大学生である僕は絶賛バイト中だ。

ファミレスに弁当屋に、清掃員。

額の汗をぬぐいながら、僕は2ヶ月前の冒険を思い出した。

4月に東京へ来て、アイドルと知り合って歌詞作って、大学の先輩が不老不死で、自分がミューズの御子で不思議な力を使える。

初見の人なら夢だと思ってしまうが、これは全てノンフィクションである。

しかも、この出来事が3ヶ月内の行われていることと、この胸元のペンダントと、右腕のバングルが物語っていた。

ドアを叩く。

「早乙女さん、僕です。楠です」

「ハイッテマース」

「失礼します」

扉を開ける。

そこには見慣れた八色の髪を持つ、僕の友人達。

「あれっ！？幸輔も呼ばれてたの！？」

赤髪の男は一十木音也。いつも元気で笑顔でダンスが得意。

「楠、お前も社長に呼ばれていたのか」

青髪の男は聖川真斗。聖川財閥の御曹司で、演技派。

「わぁ！幸輔君とまた一緒ですね！」

明るい金髪の男は四ノ宮那月。186㎝の大男だが、音楽の才能に溢れている。

「楠さん、バイトはどうしたんですか？」

紫色の髪の男は一ノ瀬トキヤ。小さい頃から芸能活動をしていて、知識も豊富。

「くっすん、また会えて嬉しいよ」

オレンジ髪の男は神宮寺レン。フェミニストで女の子に優しい。

「幸輔、久し振りだな！」

薄い金髪の男は来栖翔。男気があって、小さいことがコンプレックス。

「コウスケ、久しぶりデス」

茶髪の彼は愛島セシル。アグナパレスの王子様で無垢。

「楠さん、こんにちは」

ピンク色のこの子は七海春歌。彼らの作曲家。

この七海除く7人が今をときめくアイドル「ST☆RlSH」である。

そういえば、彼らとあったのは病院退院以来だな。だということを思い出した。

「それで、社長。話とは」

「最近、シャイニング事務所に～幽霊。つまり、怪奇現象が起こることは知ってますネ～？」

「はい。書類が急になくなったり、花壇の花が折られていたり、寮の利用者のものが盗まれていたり...とかですよね？」

僕が答えた。

「えっ！？そんなことあったの！？」

音也がびっくりして僕の顔を向いた。

普段忙しい彼らである。そんなことを聞く余裕などがないのだろう。

「ただの泥棒じゃないんですか？」

「ウチにはme特製の監視カメラを設置してますが...反応なし！つまりこれはゴースト！」

早乙女が気性を激しくしていった。

次のページへ