凡人マフィア【文豪ストレイドッグス】

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『正気か···？』










森さんが作った作戦書を読んでいると、

思いきった作戦が載っていた。いくら緊急時とはいえ

“あれ”を出すとなると、このヨコハマが焼け野原に為りかねない。



まぁ、森さんの指示だ。

歯向かうことは許されないし、歯向かう気もない。









靴底が愉快に鳴る。

どんな形でも、あの子にとっては嬉しい事だろう。

もう何年も閉じ込められていたのだから。







『夢野くーん』

「！！」

『あれ、居ない？』

「お姉ちゃん！来てくれたの！！」

『久しぶり。元気だった？』








夢野久作。通称“Ｑ”

この世界でも忌み嫌われる精神操作の異能力を持つ少年。



羨ましい。

私も異能力が使えたのなら、

·····もっと効率的に作戦を進められたかも知れないのに。







「お姉ちゃん？」

『御免ね、夢野君。君は外に出なくちゃならない』

「外に出れるの！？」

『うん。任務だ』



「任務！！」








わーいと手を挙げ、全身で喜びを表す夢野君。

可愛い。これが本当に精神操作の異能力なのだろうか。





「お姉ちゃんも来る？」

『いや、私は違う任務かな』

「···そうなんだ」




一気にテンションが下がる夢野君。

え、そんなに私としたかったの？こんなおばさんと？？






「でも、僕頑張る！！」

『おぉ！偉いね』













「お姉ちゃんに変な虫が付かないようにね」




『ん？何か言った？』

「ううん。何も言ってないよ！！」







夢野君が悪い笑みをしているなんて、私は知らなかった。

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