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NoSide
『こんな可愛い泉さんと一緒にドライブ出来るなんて、私は幸せ者だね』
何なんだ。この空間は。
鏡花は、そう思いながらも黙っていた。
先程までAは、息を忘れる程の恐怖があった上司だったが、
今はただの一人のおっさんと化している。
Aに連れられた先は、黒で塗り潰された外車。
暗殺部隊隊長ともなれば、部下の一人ぐらい居そうなものだが
意外にも部下はおらず、運転はAだった。
·
『······泉さん、君は良いね』
「?」
『選択肢があって······才能があって。羨ましいよ』
その声は普段と変わりはなかったが、
なんとなく淋しそうで、悲しそうだった。
其れもあって鏡花は選択肢は無いんじゃないか、なんて思ったが
それを口に出すことはなかった。
『ねぇ、聞いて良い?』
突然の言葉に一瞬戸惑ったが、
鏡花は肯定の意味を込めて首を縦に振った。
·
『ポートマフィアに入って、良かった?』
「·········分からないんです。35人の人々の命を奪っておいて、
私の居場所は在るのでしょうか?」
『そうだねぇ』
鏡花の瞳から、次から次へと涙が溢れた。
それはAが無関心のように発言したからではない。
限界だった。
人の命を奪うのも、マフィアに人形として扱われるのも。
·
Aは鏡花の涙を気にせず、
優しく、割れ物を扱うように頭を撫でた。
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清流* - 皆さんのコメント待ってます! (4月9日 20時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» めっちゃわかる((( (2月6日 17時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 太宰さんに消えろって言われたい))) (2月5日 20時) (レス) @page42 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» ありがとうございます!! (2月5日 18時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ありがとうございます!! (2月4日 7時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:清流* | 作成日時:2024年1月14日 8時