13 ページ14
『···という訳で、やってくれるかな?』
「私に拒否権はありません」
『そう。······泉さんって何が好き?』
「?」
「説明しろ」
『可愛い後輩だからね。贈品位はしてあげたいなって』
「·····」
その言葉に嘘は無い。仲良くしようとしてるのは事実だ。
だが、それ以上に可哀想に思ったからだ。
資料を見た時から、なんて不幸な少女なんだろうと思った。
14歳という若さで、両親の愛を無くし、マフィアに拾われ
殺戮の道具として35の命を手にかけた。
今ではただの人形のように命令に従い、人を殺す。
「····あの?」
気がつくと、泉さんの頭を撫でていた。
芥川君が心底嫌そうな顔をしているのが目に入る。
『御免ね』
これ以上、辛い思いをする事になって。
言葉にする事の無い言葉を心の中に留めておく。
私に心が在るのかは分からないが。
『用事は其れだけだよ。行こうか、芥川君』
「嗚呼」
『じゃあね。泉さん』
見えなくなるまで、頭を下げていた彼女の姿が
より彼女を小さく見せた。
·
芥川君は私を部屋まで送り届けた後、何処かへ行ってしまった。
外套をハンガーに掛けて、ソファーに体重を預ける。
革製のソファーが小さな悲鳴をあげる。
『さぁて、駒は揃った。“第一章”といこうか?』
無駄に広い部屋に、私の笑い声が響いた。
114人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
清流* - 皆さんのコメント待ってます! (4月9日 20時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» めっちゃわかる((( (2月6日 17時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいたろー!(プロフ) - 太宰さんに消えろって言われたい))) (2月5日 20時) (レス) @page42 id: 09168e2c17 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ゆいたろー!さん» ありがとうございます!! (2月5日 18時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
清流* - ありがとうございます!! (2月4日 7時) (レス) id: 5fc0f92393 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:清流* | 作成日時:2024年1月14日 8時