続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 １ 】

大好きな先輩 ページ24

●○● 香月・side ●○●

きゃあ〜！たいへ〜ん！！


「わ、私！呼んできます！！」
急いで部屋を出た。

「大変！大変！」
事務局隣にある医務室へ。


校医が苦笑いしながら救急箱を持った。


「もう、衣笠教授ったら… 」
くすくす笑ってる校医。


２人でラボに行った。


「教授！お待たせしました！！」
皆が私たちを見た。

「あ、今、校医さん来てくれた。… うん。そう」
誰と話してるの？


痛みどめを飲ませ、湿布を貼りだした。


「イテテテテテッ… もっと優しくして〜… 」
泣きそうになりながらもケータイで話していた。


あれ？あの… ケータイ…


「香月… 」
柚菜が、私に抱きついた。

「悔しい… 」
え… ？

「うん、わかった。あと２０分くらいだね。Aちゃんもそれぐらいには、着くんじゃないかな？」
え… ？


Aちゃん… って…


「今から… 彼女来るんだって… 」
なっ！？

「どうしよう… 会わせたくないよ… 」
柚菜…


私も同じ。

藤ヶ谷先輩は、私の好きな人。

尊敬も憧れも… トキメキも切ないくらい抱く人。


「やだ… 来ないで… 」
柚菜と同じ人を好きになった。


痛いほど、柚菜の気持ちがわかる。

諦めきれないこの気持ち。


「あはは、そうそう。めちゃくちゃ驚いてたよ、Aちゃん」
教授は、私たちを見ないで話しをしていた。


ニカ先輩たちも 私たちを無視してた。


「でもね、最初出たのは子供だったんだよね？？」
会話を聞くことがツラくなってきた私たちは、ラボにベランダに出た。

「そう… 子供」


パタン。


「大丈夫？」
柚菜の青い顔。

「ムカつく… 」
前を向いてぽつりと言った。


怖い柚菜の顔。


「許さない… 」
え… ？

「香月、見るわよ」
私をじっと見た。

「どんな子か 見てやろうじゃないの！」
柚菜…


藤ヶ谷先輩の彼女が来る。

先輩の『慈しむ者』… 愛する人。


「絶対に邪魔してやるんだから」
柚菜がバス停方面を見ながら言った。

「先輩… 怒るよ」
柚菜が私を見た。


ゾクッ…


怖い笑顔…


「この私が負けるわけないでしょう？見てなさい、藤ヶ谷先輩を、モノにするから」
自信満々の柚菜。


柚菜が羨ましい。


綺麗で頭も良くて、スタイルもモデルのような柚菜。


藤ヶ谷先輩も柚菜に せまられてらその気になってしまうかもしれない…


… 私は、どうしたらいいの？


柚菜と２人、バス停の方をじっと眺めていた。

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