続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 １ 】

運命の相手は、私 ページ23

□■□ 柚菜・side □■□

ピロロン♪


「きた！！北斗！」
急いで LINEをチェック。


『知らん』


「ちっ、使えない奴」
イライラする…

「柚菜〜 」
香月の不安そうな顔。


講義を受けてても 全然、耳に入ってこないでいた。


カリッ…


「爪、変形しちゃよ」
イライラすると つい爪を噛んでしまうクセがある。

「うん」
どうしよう…


藤ヶ谷先輩に彼女が本当にいたなんて…


「全然、女の陰なんかなかったのに… 」
２人で大きく溜め息をついた。

「ねぇ、どんな子かな？」
どんな子？


そんなの…


「知らない！！」
私たちは、藤ヶ谷先輩が好き。


高３の夏、オープンキャンパスで東北大を訪れた時、初めて藤ヶ谷先輩を見た。

周りの学生とはまるで違って、先輩だけが光って見えた。

出逢いはそれだけかと思った。


… でも、違った。

その後、先輩に２度会った。偶然のようなことがおき 助けてもらった…


(「これは、運命だもん」)
香月に聞えないように ボソッと言った。


今の彼女なんかじゃない… 運命の相手は、私。

香月にだって 渡さない。


「ニカ先輩たちなら知ってるかな？」
はっ！！

「香月！ナイス！」
そうだよ！ニカ先輩たちがいるじゃない！！


２人で慌てて、ラボに向かった。


コンコン。ガチャ！！


「先輩、聞きたいこ… 」
え？？


ドラえもん？？


「どうしたんですか？？」
２人に抱えられていた。

「イテテテテテッ！も、もっと、や、優しくぅ〜！」
？？？


２人とも困った顔。


「んなこと言ったって、重たいんですから！」
重そう…

「校医呼んできた方が早くね？」
２人が 教授をゆっくり降ろした。


ツラそうなドラえもん教授。

この動きから察すると…


「ぎっくりですか？」
３人が頷いた。

「わ、私！呼んできます！！」
香月が、慌てて出て行った。


お人よしの香月。


「くすん。痛いよ〜… 」
床に倒れ込んだ。

「教授、イスに座れますか？」
渉先輩が起き上がらせようとした。

「無理〜… イテテテッ！」
校医が来るまで待つことにした。


〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪


「あ！藤ヶ谷君だ」
先輩！？

「はい。… うん、うん。ありがと〜！助かったよ〜」
？？？

「ん？ああ！うん、Aちゃんには、言っておいたよ。来れるって」
え？


… 来る？


ここへ？


「あははは！うん、早く戻っておいで」


彼女が… ここに来る。


私の中の嫌な部分が出てこようとしていた。

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