続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

太輔の報告 ページ8

◇◆ 早瀬・side ◇◆

太輔の目と声が違う。



そして 向日葵まで呼んだ…



あの時の話だと感じた。



俺は、父さんの所に行くまでLINE。



アイツを呼んだ。



奴も聞かねばいけないから。



…



コンコン。



「早瀬です」



ガチャ…




ぺこりと軽く頭を下げ入って行く。



「どうした？あれ？太輔？」



俺の後ろから 顔を出した。



「向日葵さんまで… 一体 どうしたんだい？」



俺たちに座るように促した父さん。


俺たちは座ったが太輔は立ったままだった。



「太輔？どうした？座りなさい」


「いえ… 俺はここで」



やっぱり 話す気だな…



「太輔、ちょっと待って、もう一人呼んだから」



父さんもわかったようだ。


そいつが来るまで静かに待った。



コンコン…



「綾瀬です、失礼します」



あれ？



「いたんだ」


「うん、小児病棟のバイト」



玉も一緒に入ってきた。



「ガヤ、おかえり」


「ああ、ただいま」



皆が太輔におかえりと笑顔で言った。



藤ヶ谷家のメンバーが揃った。




…




…




「で？太輔？」



沈黙を破ったのは 父さんだった。



「はい、今日は報告がありまして来ました」



報告…



「無事、三菱重工、設計部２課に内定が決まりました」


「決まったの！！すごい！！」



三菱… 決まっていたか…



俺たちの目の前に内定通知書を出した。



玉がマジマジと見ていた。



「設計部２課ってもう決まってるんだ」


「ああ、少し特例もあって… 」



特例？



太輔がプレゼンの流れからの内定の話をした。



「じゃあ、９月には決まっていたのか？」


「… はい」



…



「なぜすぐに報告しなかった？」



父さんの指摘の声が若干怖い。



「砂上の楼閣ではダメだったからです」



…




スッ…





「何？」


「卒論です」




え… ？




「もう！？」


「はい、先ほど大学に提出してきました。もちろん衣笠教授の合格了承済みです」



へぇ〜…



砂上の楼閣ではなくなったな。



「それから… 」



出るわ、出るわ…



試験の結果等の書類。



「すげぇ… 全部Sだ… ありえない」



玉が驚くのは無理もない。



Sを取るのは並大抵の努力じゃない。



これは…



「首席で卒業できると？」


「はい」



自信満々に返事をした太輔。




その真剣に父さんの瞳を見つめる気迫に怖ささえ感じる。




さて、父さん？




どうする？

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