続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

優先順位の告白 ページ7

◆ 太輔・side ◆

俺が大好きな兄さん。



最近、帰らなかった為、拗ねていた。



「いいんだよ、いい〜んだよ、どうせ兄ちゃんは３番手ですよ」



へ？



「３番手？」


「あ、気にしないでいいから。ただの構ってちゃんだから」



構ってちゃん…



「聴いてくれ！弟よ！！」



ガシッと肩を掴まれ、睨まれた。



「旭が１番！父さん２番！最後に俺なんだぜ！」


「別に、いいじゃない」



キッと今度は向日葵さんを睨む兄さん。



「俺は、１番が良いんだー！！」


「ないない、１番は旭」



うわぁ… 超 塩対応。



「それに自分だってそうでしょう？１番は旭… 」


「俺は！２番はお前だ！！」



おおおおおおお！！



兄さん男前！！



「早… 」


「何だ！！」



向日葵さんが大きく溜め息。



「皆が見てるわよ」



へ？



！！！！！！



ロビーじゅうの人たちが俺たちを見てくすくす笑ってる！



「藤ヶ谷医師は目立つんだからさ… 」



だよな… 白衣だし…


それに兄さん 普段でも超目立つし。



「皆さん、気にしないでください、あははは！！」



気にするつーの。



兄さんは真っ赤になって小さく俺の前に座った。



「も〜… お前のせいで… 」


「何で俺のせい？勝手に大声で告ったのは兄さんだし」



ガツッ！！



「いで！！」



思いっきり向う脛を蹴られた。



「もう、ケンカしないの！みっともない」



たしなめられ、静かに…



「で？何しに来た？」


「何って、定期健診に決まってるじゃない、朝言ったでしょう」



定期健診なんだ♪



大きく育ってるといいなぁ♪なぁ、旭〜♪



頬をまた こしょこしょ…




「お前じゃねぇよ、太輔」


「あ、そうだった」



旭に夢中で本来の目的を忘れていた。



「父さんに会いに」


「父さんに？ああ、帰った報告か」



え？



「ううん、違う」



ガタッ…



「ついて来いよ」


「え？いいの？」



どうやら 兄さんが連れてってくれるみたい。



「行ってらっしゃーい！！」



あ！！



「あの！向日葵さんもいいですか？大事な話があるんです」



とても大事な話…



「ひま、一緒に来い」



「うん、わかった」



兄さんは悟っているのか それ以上は聴いて来なかった。



５階の角部屋、普段は入れないエリア。



扉に『 理事長室 』のプレートが光る。




コンコン。




「早瀬です」




兄さんは、返事も待たずに扉を開けた。

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