続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

幸せの光のアーチ ページ39

◆ 太輔・side ◆

Aの考えなんてわかってる。



俺も同じことを披露宴の時から思っていたから。



「太輔、スーツ しわにならないようにしまってね」


「ああ、わかってる」



あっちでも着るからな、これは。


プロポーズの時に。



「フライト時間、お知らせ来た？」


「いや、相変わらず… あ、２１時半になってる！！嘘だろ！？」



ココを出るのが… ８時過ぎだから…



「ギリギリ間に合うけど… 翔輝たち 間に合うかな？」


「私、のどかさんに連絡しておくね」



Aは、のどかさんにLINE。


俺は、一応 翔輝にLINEした。



「あ、間に合うか、良かった」



翔輝の方がフライトが早いらしい。



「カナダもいいよな… 」


「太輔〜、廉耶が手伝って〜って」



あ、はいはい。



青蘭全員で最後の飾りつけ。



素敵な二次会準備が整った。



ただいまいるのは、店の外。



最後の大事なチェックがあるらしい。



廉耶が２階に向かって手をあげた。




「では、点灯しまーーす！！」



パッ…



「うわぁ！！綺麗！！」


「おしゃ！！成功！！」



クリスマスツリーと一緒にハートのアーチがキラキラ輝きだした。


オルゴール風BGMも流れ、とても幻想的な雰囲気。



「じゃあ、皆さん パートナーの手を取り、中へ どうぞ… 」



廉耶がにっこり笑った。



「俺、い〜ち番！！」



玉が姉さんの手を取り、歩き出した。



桜良はキョロキョロしてぽ〜っとしていた。



「宏光！宏光！！」


「… はいはい、転ばないでくれよ」



みつと伊吹ちゃんは、きゃあきゃあ言いながらアーチをくぐって行った。


残されたのは、俺たちと廉耶と楓。



「俺らは、お出迎え班なので、どうぞ」


「その代わり、中でお迎えをお願いします」



楓と廉耶は、店の外で皆さんをお迎えするらしい。


俺は、Aに腕を向けた。



「えへへ！ぎゅうだよ！」



あはは、ぎゅうぅ だな。


嬉しそうに抱きついたAと共にゆっくり光のアーチを歩く…



「本当に綺麗… 」



あたたかな光がAを照らし…



「… ああ、綺麗だな」



お前が綺麗だよ…



いつか… いつかだけど 俺たちもこんなアーチをくぐろう。



「ん？何か言った？」


「いや、… ほら、しっかり掴まって行くぞ」




たった５メートルほど小道を歩いた。




とても幸せだった。




その数分後…




主役たちが嬉しそうに、幸せそうに入ってきた。

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