続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

いつかの幸せの使者 ページ38

…





…





「大丈夫？」



「… ん」



神崎先輩の感謝の挨拶は、泣き虫太輔君に変身させた。


感動の披露宴が終わり、ただいまロビーのソファーにて沈静化中。


ハンカチを目に当て、ぐったり上を向いていた。



「あれは、泣くわ」


「ああ、俺もうるっときたもん」



みつ先輩と裕にぃは、太輔を見ながら苦笑い。



「でも… 神崎先輩… あんな風に俺らのこと 想っていてくれたんすね… 」


「普段、いっぱい殴るくせに」



殴るって…


それは、廉耶が言わなくてもいいことを言うからでしょうが…



「俺、超 嬉しかったっす」


「良かったね、廉耶」



嬉しそうに頷いた廉耶。


本当に嬉しかったね。



「さて、どうする？２時間くらいあるけど？」


「あ、俺ら 二次会の場所に先に行ってます」



廉耶と楓は、幹事。


いろんな催しを用意してるらしく、その準備があるらしい。



「俺らも手伝おうか？」


「いいんすか？助かります！」



結局、全員で二次会が行われるイタ・バルへ行くことになった。



「うわぁ、すげ… 可愛い〜… 」



来て驚いた…


店中、ピンクのハートの風船がいっぱい。


ラブラブな感じが出てて 可愛くて とても素敵だった。


その中に、あのテディベアがちょこんと２体ウエルカムボードにいた。



「そのクマ、警察官の結婚式には必ず登場するんだって。幸せの使者らしいよ」


「へぇ、幸せの使者」



太輔と２人、そのテディベアを見つめた。


チラリと目が合う…



「わかってる〜 それより着替えようぜ」


「この二次会が終わったら 即、成田なんだから」



わかってるの？



私が思ったこと…



「廉耶、そっちの部屋借りていい？」


「いいすっよ、でも、景品があるから気をつけてください」



スーツケースを引き、太輔とその部屋に入って行った。


廉耶が言った通り、部屋はビンゴの景品がいっぱい置いてあった。


その隅で、ラフな服装に着替え始めた。



「ファスナーやろうか？」


「うん、お願い」



くるっと背中を向けた。



ジジジッ…



「ねぇ、本当にわかったの？」


「ん？ああ、わかってるよ？お前の考えてることぐらい」



そうなんだ…



「でも、アイツラのサイズってあるのかな？」


「あ、そうだね… わからないね」




どうやら ちゃんとわかってるみたい。




いつかの、未来… こと。




私たちは、２人で笑い合いながら着替えた。

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