続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

心の会話 ページ32

◆ 太輔・side ◆

余興が終り、一時休憩。翔輝たちもお色直しらしく、一度退席。



Aたちも化粧室に行ってしまった。



俺が牽制したおかげか Aたちに近づく野郎はいなくなった。



一安心だな…



「太輔、ただいま〜♪」


「ん、おかえり、早かったな」



キョロキョロし出したA。



「何？どうした？」


「ねぇ、デザートまだかな？」



え？デザート？？



「まだ 食う気？」


「だってぇ〜… 甘いの食べたい」



くすっ…



別腹ってやつだな。



「あれ？何か出てきたよ」



係りの人が何かを押してきた。



「あ！あれケーキだ！！」


「え？そうなの？」



段数になってないウェディングケーキ。


単なる長方形の真っ白のケーキでとてもシンプルだった。


一気に皆のテンションがあがり、ザワザワし出した。



「あれ？さっきと違わないっすか？」



廉耶の指摘で見ると、確かに壇上の席の位置までが変わっている…


席の後ろのドアをすべてオープンさせ、開放感たっぷりの庭を鮮やかに見せた。


足元には、青い絨毯の道…



「素敵… 」



「本当に素敵… 」



再びうっとりのA。


伊吹ちゃんも楓もAと同じような顔をしていた。


女の子は、やっぱり 結婚式に憧れるんだ…



…



俺は、いつウエディングドレスを着せてやることが出来るのかな？


嬉しそうなAを感慨深げに見つめた。



…



「はい！！大変お待たせ致しました！！再び新郎新婦登場です！！」



「「「 わぁあああ！！ 」」」




おお…




翔輝の奴…




「やべ、アイツ かっこいいじゃん」



「ああ、超 イケてる」



今度は、翔輝が警察官姿で登場。


入ってきてビシッと敬礼。


のどかさんもピンク色のカクテルドレス、その手には２体の可愛いテディベアのぬいぐるみ。


２人は、ひとテーブルごとに挨拶をしていった。



最後に俺たちのテーブル…



「よう、元気か？」



「ああ、元気だよ」



くすくす笑う皆。




…





スッ…




翔輝は 何も言わず 俺たちに敬礼をした。



俺たちも、何も言わず頷いた。




…





…




「え〜？それだけ？」


「男には男がわかる心の会話があるの」




みつの説明に不満そうな伊吹ちゃんの顔。




くすっ…




でも、俺も実際、翔輝が何を言いたかったかは わからない。




翔輝の言いたかったこと…




それは、最後の挨拶の時にわかった。

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