続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

新郎の父 ページ31

○○ 宏光・side ○○

ガヤが心配そうにスマホを眺めていた。



フランスでプロポーズさせたいなぁ…



「まぁ、何とかするさ」



ガヤは、スマホをポケットに入れた。


そして 嬉しそうに壇上の方を見た。



「翔輝、顔面ひきつってない？」


「ああ、あんなデカいリボン付けられたら… 」



オマケにごついAKB数名が抱きついてる。


のどかさんは、その横で大ウケ。



「今日のA、綺麗だな」


「ああ、すごく綺麗だね」



嬉しそうに笑ってるA。



「良かったな、なくさなくて」



慈しむ者…



「毎回 この話になるよな… 俺らって」


「ああ、さらに心に想ってくれないとさ」



ガヤが頷く…



「もう しないよ、あんなことは」


「ああ、しないでくれよ… じゃないと玉がまた切れるから」



くすっ…



「翔輝のもさ、あんなに笑えるようになってさ、良かったよな」


「うん、まぁ、いろいろあったよな… 」



あったなぁ… いろいろ。


翔輝の場合、親父さんとの確執もあって大変だったらしいけどな。


その親父さんも嬉しそうに… あれ？



いない…



さっきまで後ろに座って…



「君が藤ヶ谷君？」



え？



「え？はい… あ、翔輝の… 」



嘘っ… 現れたぞ、超 厳格な父。


本当に怖そうな感じ… さすがに他の警察官とは違う貫禄。



ガタッ…



「本日はおめでとうございます」



ガヤは席を立って挨拶。


俺たちもガヤに習い、挨拶をした。



「で、君たちが北山君と玉森君、あそこにいるのが安藤君だね」



すげぇ…



俺たちのこと知ってるんだ…



「のどかさんから聞いて、一度ちゃんと話してみたかったんだ」


「バカを真っ当にしてくれたのは 君らだから」



真っ当って…



「とくに藤ヶ谷君、君には本当に迷惑をかけたらしいね、すまなかった」


「本来、もっと早く礼を言わなくてはいけないのに… 」



翔輝の親父さんは俺たちに頭を下げた。



「バカを… ありがとう」


「本当にありがとう」




…





…




「良い親父さんだな」


「ああ、でもバカバカ連発だったな」



親父さんは俺たちに礼を言うと席に戻って行った。


また 嬉しそうに壇上を見つめていた。



「でも、去り際に変なこと言わなかったか？」


「ああ、何だったの？アレ？？」




親父さんの去り際…




『 普通は、両親への挨拶なんだが… 君たちなら仕方がないか 』




笑いながら去って行った。

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