続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３２ 】

手にした光 ページ19

◆ 太輔・side ◆

愛おしそうに指輪を見つめ、微笑んでる父さん。



母さんへの愛がその指輪に詰まっている。



その大切な指輪を…



「父さんのような お父さんになるには、その指輪が必要です」



…



「俺が仙台の地に行くとき、父さんは言った… 」



「この指輪は、俺を守ってくれると」



…



「母さんは４年間、俺を守ってくれました」


「大事な大事なお守りでした」




感謝します…




母さん、俺を守ってくれて…




「その母さんの指輪、今度は 俺の大切な人を守ってほしいんです」



「彼女なら きっと母さんを大切にしてくれる」




Aなら…




「俺を想ってくれるように 母さんを想ってくれる」



「彼女は、とても心優しくて母さんみたいな人だから」




ゆっくり 頭をさげた。




「お願いします。その母さんの指輪、彼女に渡すことをお許しください」



「彼女と２人で人生を歩んでいきたいんです」




…





…





「手を出しなさい」




！！！！




「桜子の光が常に守りますように」



俺の手の平に静かに置かれた光。



「お前が心に決めたなら いい」


「全身全霊をかけて守りたい人、慈しむ者にあげなさい」



４年前と同じ言葉…



「桜子は、守るよ。Aさんを」



俺の慈しむ者…



母さんはきっと守ってくれるだろう。



どんなに離れていても 俺は、君を守る。



剣と盾を今度は君に。



「ありがとうございます。父さん」



「うん、幸せになりなさい」




はい、父さん…




…




カチャカチャ…




「ほら、熱いから気をつけなさい」


「うん、ありがと」



ストーブのお湯が沸き、父さんがコーヒーを淹れてくれた。


とても良い香りで嬉しくなる。



「どこをどう周って来るんだい？」


「ん〜？それがさ、久利生さん何も教えてくれないんだ、来てからのお楽しみって」



父さんも苦笑い。



「行先はわかっているのかい？」


「それもわからない、チケット手元にないから」



やべ…


苦笑いの顔が怪訝な顔になってきた…



「明日から大丈夫なのか？そんなんで？？」


「だろ？西会長も変なスタンプ送ってくるだけで内容無しなんだ」



新入社員とLINEしてるのも変な感じだが…



「まぁ、何かあったら連絡しなさい。手配かけるから」


「うん、大丈夫だと思うけどね」



あまり心配してないけど、どうなることやら…




溜め息をつきながらコーヒーを飲んだ。

来たがる二次会→←返した母さんの指輪

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す