続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

先輩たちのなでなで ページ9

●○● 香月・side ●○●


北斗君の真実…



給料明細と２１万円。



これが…




「お前さ、信じることの大切さを忘れてない？」




信じることの大切さ… ？



…



「まぁ、俺も人のこと言えないけどな」


「Aと話さなくなって ああなってしまったから… 」



え… ？



あの事件は話さなくなったから起きたことだったの？



「運命って… 俺はあると思う」


「でも、ここでお前が北斗を信じれなくなって別れるなら 運命じゃなかったかもしれない」



…



「疑心暗鬼の心… それが真実を見えにくくする」



疑心暗鬼…



真実…



「運命の相手かどうかはお前の心次第」


「ちゃんと北斗のこと見て信じてみろ」



北斗君を見る…



信じる…



「それから お前もちゃんと自分のことは話さないと」



え…



「思ってること話せ」



…



「北斗はお前にとって大切な奴だろ？だったらちゃんと話さないとな」




ぽんぽん…




なでなで…




「あ、やべ… つい昔の癖が」

「Aには内緒な。北斗にも」



藤ヶ谷先輩のなでなで…



大好きだった仕草。



あの頃はあんなにドキ ドキしたのに…



「先輩… 」


「ん？」




私…



「やっぱり… 別れたくない… 」


「別れたくないよぉ〜… ぅ〜… 」



大好きなの…




今でもこんなに好き…



「ん、それでいいんじゃない？わかってるじゃん、お前」



う〜… せんぱ〜… い…



「ほら、送ってやるから」


「… ふぇ？」



藤ヶ谷先輩がまた私を撫でた。



「本屋まで送ってやる」



！！！



「え！？や… 泣いてブサイクだか… 」


「いいから支度しろ！」



！！！



「は！はい！！」




バタバタと出かける準備。



でも、焦れば焦るほど わからなくなる私。



「えっと、えっと… 」


「ああ… もう トロくさいな」



え？



ニカちゃん先輩…



「渉、窓 確認して」


「OK」



渉先輩…



「ほら、そのカバン持って」


「財布、スマホ確認して」



言われるがままカバンチェック。



あっという間に出掛けられる準備が整った。



ガチャ… カチン。




「あの… 先輩… 」


「「「ん？」」」



３人の先輩が私を見た。



「あ、… いえ」




…




ぽんぽん。




ぽんぽん。




ぽんぽん。




代わる代わる撫でられた頭。




「行くぞ」


「はい！！」




先輩たちの優しさに胸がきゅんと嬉しくなった。

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