続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

いつかその気持ちに ページ49

☽☽ 渉・side ☾☾

寝てないと思うが静かに聴いている恭子。



「一応、実家と会社の間で探してる」


「帰ったら物件探そうと思ってるから」



…



「おい、聴いてるのか？」


『… うん、聴いてる』



寝てなかった。



『ねぇ、私も一緒に物件探し行っていい？』



ドキッ…



「え？なんで？」


『え？だって わた君 変な物件選びそうだから』



変な物件って…


確かに今の物件も母さんが選んだな… 『 お前に任せるとろくなのを選ばない！ 』って言って。


俺って そんなにセンスないのかな？



『それに女子がたくさんいるアパート嫌だから』



へ？



「そこ？お前の心配どころって？」


『そうよ、悪い？』



だから こっちに遊びに来ても『 彼女がいますよ！ 』アピールするんだ…



『こっちはワンルームでも高いからさ… 私も探しといてあげるね！』



ワンルーム…



「なぁ、ワンルームでいいの？」


『え？だって わた君 一人暮らしでしょう？』



そうだけど…



なんか… 俺、ムッとしてない？？



「いや… その… お前も一緒にとかさ言うのかと… 」


『はぁ？何言ってんの？まだ 働いてもないくせに言うこと？』



う…



『そう言うことは立派な男になってから言って』


『夢と現実は違うからね！！』



…



なんか… 俺は、何に悩んでいたんだろうか…


彼女の方が俺より大人でした。



『でも… 』



ん？



『いつか そうなったらいいなぁって思う私でした！まる！！きゃーー！もう切るー！寝るーー！！おやすみーー！！』



ブッ…




ツー… ツー…




…




「ぷっ！！あはははは！！」



「なんだ？なんだ？？」




ガヤたちが俺の馬鹿笑いに驚いた。



「いつかさ、お前らと同じ気持ちになれると思う」


「しっかり働いて、その時を待つよ」



ああ、待つ…



その時を。




…




「さて、じゃあ 悩める渉ちゃんコーナーはおひらきと言うことで帰りますか！！」


「誰が悩める渉ちゃんだよ… 」



ニカがケタケタ笑った。



俺は後ろから蹴り。じゃれ合いながら坂を降りる。



「おーーい！！」



あ、七海とAちゃんが元気に手を振ってる。



彼女たちの笑顔でアイツの笑顔を思い出す。



「さぁ、帰ろう！！」




ポンとガヤに肩を叩かれた。




少しだけ慌ただしくなった年末…




俺たちは、東京へと帰った。

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