続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

５人で帰る東京 ページ46

朝９時半。



「A様、お荷物のお忘れ物はないですか？」


「戸締りは大丈夫ですか？」


「資源ごみはこれだけですか？」



辻さんチェック！！



「はい！大丈夫です！！よろしくお願いします！！」



ぺこりとお辞儀した。



「A様」



？？



「あちらでは… その… これから たくさんの試練があるかとは思います」


「でも、忘れないでください、Aさまには たくさん応援してくださる人たちがいることを」



辻さん…



…



はい。



「辻さんはその代表ですね！ありがとうございます！！」


「A様… 」



当分 会えないかもしれない…


私は、辻さんの右手を掴んだ。



「太輔のこと… よろしくお願いします」


「はい、かしこまりました」



キュッと強く握って離した。



「A、行くぞ」


「はーい！じゃあ、辻さーん、お土産楽しみにしててね〜！！」



元気に乗り込み手を振った。


辻さんも笑顔で手を振ってくれた。



「… 頑張ります… 辻さん」




数分後…




バタン。




「OK！！じゃあ、乗って」


「「「はーーい！！」」」



二階堂さん、七海さん、横尾さんが後部座席に乗り込んだ。


５人で帰る東京。


車内は二階堂さんの笑いの独壇場と化した。



「もう〜、三日月顎出さないでよ〜！」


「これは好きで出してるんじゃないのー！！勝手に出てくるんだ！！」



あははは！！


三日月顎〜〜〜！！


二階堂さんって面白い！！



こんなにうるさい車内なのに… 寝てる人が一人。


キャップを深々と被り、最後部で寝ていた。



「ねぇ、横尾さん具合悪いの？」


「さぁ？昨日は元気だったけどな」



太輔も心配そうにバックミラーで横尾さんを見つめていた。


東京もあと１時間少しで着く頃、サービスエリアで休憩することになった。


フラフラと横尾さんは車を降り、どこかへ行ってしまった。



「太輔… 」


「わかってる、ちょっと行って来るから」



私は、寝ている七海さんたちを起こしてトイレ休憩。



トイレから出てくると七海さんだけがいた。



「男は男同士ね」


「そうですね」



私たちだけ、お土産やフードコートを物色。


太輔たちが戻ってくるのを待った。



数分後…



楽しそうに帰ってきた３人。




どうやら 気分が上がったみたい。




そんな気分が上がった横尾さんが私に…




「俺も君らのようにいつかなるよ」




八重歯にょきっとハニカミながら笑った。

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