続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

感謝のジュエリー ページ35

◆ 太輔・side ◆

…




笑顔のイメージ…




これは、Aだ。




「どうでしょうか？お気に召しましたか？」



「気に入るも何も… こんな… 」



何度も魅入ってしまう…



「ふふっ… 喜んでもらえて嬉しい。じゃあ、柴崎、柚菜」


「「はい」」



え？




コトン。




！！！！！




「これ… 」



同じデザインの…



「あのね、これは私と柴崎で２人で作ったの。ママに教えてもらって」


「さつきさんのように完璧な作品ではないですが… どうか Aさんに」



ブレスレットと同じイエローダイヤモンドがワントップで輝く…



「お揃いのネックレスとブレスレットだよ！どう素敵でしょう？」



こんなことって…



「すごい！柚菜 頑張ったね！！」


「うん！！頑張ったもんね！柴崎！！」



Aが光る…



キラキラ輝く笑顔のように。



…



でも 俺は、ある事が気になってしょうがない。



「… あの」


「はい？」



ニコニコのさつきさん…



「大変 嬉しいのですが… 」


「これ、さっきの請求書の金額では到底及ばないのではないですか？」



…



「PtにTiのチェーンにイエローダイヤモンド… 人工ダイヤモンドといえ、ダイヤモンドには違いない」


「それに このオニキス… デザイン料だって… どんなに見積もっても金額ではないはずです」



…



「本当の請求書をお願いします」



「藤ヶ谷様、… いえ、藤ヶ谷君… これはビジネスであってビジネスではありません」



え？



「これは、私たちの感謝なんです」



感謝？




…



「私の娘は… 一歩間違えば、あなたの大切な人を殺していました」




！！




…



「亡くなっていたら… もう どうやっても償えません」


「あなたにもこのジュエリーたちをお返しすることはできなかったかもしれません」



…




瞳から大きな涙が零れる…




…



「これは、私たちのささやかではありますが 感謝の気持ちです」



…



「娘を許して頂き… 本当にありがとうございました」



「本当に… 本当にありがとう… 藤ヶ谷君… 」



…




さつきさん…




「ママ… っ… ずずっ… 」



「社長… 」



　
３人が俺に頭を深く下げた。




…




「… 顔をあげてください」



３人が顔をあげ、俺を見つめた。




スッ…




「こちらこそ、ありがとうございました」




…




今度は 俺が深々と頭を下げた。




俺こそ感謝を…

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