続・ようこそ！！青蘭高校へ！！ 【 ３１ 】

不満と不安 ページ15

●○● 香月・side ●○●

いつも しっかり握ってくれる大きな手。



私は、この手が好き。



その手が私の胸に…




トクン…





トクン…




「何でもいい… 想ってること話せ」



優しい声に涙が溢れる。



「ううん… もう いい… 大丈夫」



ミキちゃんが男の子だってわかったから…



「ふぅ… さっきはあんなに大声で『バカ！』って言ったのに… 」



それは…



「この際、ちゃんとケンカしようぜ」



え… ？



「俺に不満があるんだろ？」



…



「俺も不満がある」



え… ？



「お前が言わないなら俺から言うけど？」



…



「返事なし… じゃあ、俺からな」



…



「ミキが女だって勘違いしたんだよな？」



うっ…



「おそらく？勝手に妄想かなんかしてJKだとか思ってたんだよな？」



「それをガヤ先輩に言った、だからガヤ先輩が来た… 違う？」



うううっ…



「何で勘違いすんのかな？カテキョーが中学クラスなのに… まったく… 」



え？



「ちゅ… 中学？… え？え？」


「はぁ？給料明細に書いてあるだろうが、Jrクラス時給１時間… 」



！！！！！！！！！



「そのミキと浮気してるって思ってたんだろ？どうせ… 」


「… ったく、そんな浮気してる時間なんかあるかつーの！！」



…



「生活の為に働いてるんだぞ！こっちは！！」


「なのにお前は、くだらないヤキモチなんか妬きやがって」



！！！！！！



「大体な… 」


「くだらなくなんかない！！」



…



「何よ！！私がどんな想いで いつもいつもいるのか わかってるの！！」



「一緒にいてもずっと独りぼっち！！見るのは寝顔だけ！！！」



朝起きてもいなくて…



夜も一人で寝てて…



「ご飯だって！ずっと一緒に作ってない！！」


「おはようもオヤスミも言えない！！」



ヤキモチなんかじゃない…



「笑顔も笑い声もない！！！同じ家にいるのに！！こんなに近くにいるのに！！」



近いのに…




遠い…




「北斗君に… っく… 北斗君に… 」



…



「っく… ふ… 」



「触れられな… ぃ… っく… 」




手を…




繋げない…




撫でてもらえない…




「大好きなのにぃ〜… バカ〜… ぅぇ〜… ん… 」




…




悔しくて…




悲しくて…




私は嗚咽が出るほど泣いた。




落ち着きを取り戻した頃… 北斗君は また問いかけてきた。




私は、正直に話すことにした。

間違っていた美学→←解けた誤解

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す